ものづくり日本会議

2008年受賞部品

電気・電子部品賞
自動車用LEDヘッドランプ 小糸製作所

製品プロフィール

「技術とコスト」で優位に
LEDヘッドランプの開発を進める小糸製作所の技術スタッフ

自動車業界での大きな開発テーマは環境対応と小型化。自動車部品各社も今、このテーマに沿って新技術の開発を求められている。こうした中、自動車用ランプ各社が「環境対応の核」と位置づけるのがLED(発光ダイオード)を採用した自動車用ヘッドランプ。小糸製作所は業界に先駆け、07年にトヨタの高級車「レクサスLS600h」に供給を開始。現在、価格を半分に抑える技術が完成しつつあり、普及に弾みを付ける。

開発の狙い

LEDランプは寿命が長い上、消費電力が少ないため燃費向上に寄与する。後部ランプで普及しつつあるが、ヘッドランプへの採用が難しいとされていた。その最大の課題が輝度や光量の確保だ。同社は日亜化学工業と共同で、懐中電灯などに使われるLEDよりも数百倍明るい高出力LEDを開発。このLEDを5個使用し、従来のHID(高輝度放電ランプ)と同等の明るさを実現。寿命は従来比約4倍の1万時間に延びた。また、工学制御システムも独自に開発し、LEDの光の効率使用につなげた。

ブレークスルー

08年12月現在、実車への供給は「LS600h」だけにとどまる。輝度を確保するため、消費電力で大きなメリットを引き出せず、価格が割高なのが採用拡大の障壁となっている。ただ、LEDは家電でも使用が増えており「今後、性能が1.5倍、2倍と上がっていく」(後藤周一副社長)。量産に伴い、価格も大きく下がると見る。同社はすでに、09年以降の複数車種への供給が決まっており、性能も07年の初供給時に比べ大きく改良する方針。

今後の展開

09年に供給予定のランプは搭載するLEDの数を5個から3個にし、消費電力を現行の約3割減の60ワットにした。「従来より高出力のLEDの使用や、光学設計の見直しで性能を維持する」(同社開発担当者)。2011年にはランプを2個にし、電力を半減以下の40ワットにする。既存のHIDに比べても約半分の消費電力で燃費が約1%向上するという。価格も09年に現在の半値、2011年はさらに割安にする見通し。最終的に3分の1程度まで下げ、HIDヘッドランプと同等の価格を目指す。 自動車の販売台数が伸び悩む中、ランプメーカーも当面は激しいシェア争いにさらされる。ランプ各社は限られた市場の中で、シェアを拡大するため環境技術で差別化を図る。小糸製作所はランプの主流になるLEDで技術とコストで優位に立とうとしている。