ものづくり日本会議

2008年受賞部品

機械部品賞
コンベア駆動用モーターローラー〈パワーモーラ〉(PM486XE)伊東電機

製品プロフィール

制御盤を内蔵小型化に知恵
開発に取り組んだ内貴機構技術課長(左)と永井制御技術課長

モーターローラーはローラー内部にモーターを組み込んでおり、ローラーの自転で品物を搬送する。コンベヤー枠の外側に大型モーターを設置してローラーを駆動する方式に比べて省スペース化が図れ、それぞれのローラーを独立して運転できる制御の良さから、採用が進んでいる。今回の制御部内蔵で設置にデッドスペースがなくなりさらに使いやすくなった。

開発の狙い

以前はローラーコンベヤー枠の側面に設置した制御盤でモーターローラーを制御していた。「制御盤をモーターローラーの中に組み込めないか」というユーザーの声が、伊東電機(兵庫県加西市)の開発のきっかけとなった。外付け部品がなくなり設置の自由度が増すためだ。配線工事の煩わしさもあった。海外では制御盤の配線工事に特殊な資格が必要なことが多く、海外からの声も多かった。
開発に着手したのが06年。「制御基板の小型化」と「ローラー内部のスペースをいかに確保するか」が大きな課題だった。制御基板の小型化に永井義典制御開発部制御技術課長が、スペースの確保には内貴英男機構開発部機構技術課長が二人三脚で取り組んだ。

ブレークスルー

外付けの制御盤は125×45ミリメートル。小さくするには部品一つひとつの大きさだけでなく配置の工夫が必要だった。従来の制御盤と同じように長方形なら簡単だが、「設置の自由度を考えて、できるだけロールの長さを短くするため」(永井課長)円形にしなければならなかった。
直径38ミリメートルに限定されていたため、1枚に納まりきらず2枚になった。「配線はロール内壁に設置する保持ケースに溝を作り導線を埋め込んだ」(同)と、スペースを抑えるよう気を配った。
一方、内貴課長は空間を確保するため、モーターやギアなどメカニカルな部分の小型化に取り組んだ。「小型化だけでなく制御盤を内蔵するためモーターの発熱をいかに抑えるか」(内貴課長)が課題になった。
モーターの効率を上げるために新方式のローターを開発した。ローター表面の磁石をなくし、磁力の強い希土類磁石をローター内部に埋め込んだ。「コストは60%もアップしたが、性能は満足のいくもの」(同)に仕上がった。

今後の展開

制御部の内蔵で外付けスペースが不要となり、省スペース性が向上しただけでなく、新たなメリットが数多く生まれた。制御盤の取り付け作業が不要になり、コンベヤーの設置工事そのものが簡素化できた。また制御盤の位置を考えずにコンベヤー枠とローラーを並べるだけでコンベヤー設計が行え、設計時間を大幅に短縮できる。
パワーモーラ省配線システム「エコ・ハーネス」として、システム提案していく。