ものづくり日本会議

2008年受賞部品

機械部品賞
電磁クラッチブレーキ電源装置 BESモデル 三木プーリ

製品プロフィール

待機電力ゼロ応答性も向上
厳しい条件下で性能を試験

電磁クラッチブレーキ電源装置BESモデルは小型軽量で、定格電圧24ボルト、45ボルト、90ボルトの電磁クラッチとブレーキ全般に使用できる過励磁電源装置。待機時間ゼロで、無励磁ブレーキとの組み合わせで消費電力や発熱量を75%削減した。電磁石に吸い寄せられる金属板の吸引時間やトルクの立ち上がり時間を改善し、さらにトルクのアップを実現した。

開発の狙い

「大型無励磁ブレーキ用にいい電源装置ができないかな」―。モーターメーカーなどのこうした悩みを解決するため、三木プーリ(川崎市中原区)は05年に「電源側で電圧をコントロールできる装置の開発」に着手した。
無励磁ブレーキは無通電時にブレーキがかかる装置。ある企業は通電状態が長くなると、ブレーキ自体が90度Cの熱を持って開放状態でもブレーキがかかってしまうので熱を持たせないようにしたいという。また、別の企業は入力の電圧仕様で何種類ものブレーキを使うので、コスト削減のため電圧仕様を絞り込めないかと訴えた。

ブレークスルー

まず考えたのが「直流(DC)電圧に瞬間的に4倍の電圧を加えるとその電圧が半減する過励磁機能」(大友浩司CB本部クラッチブレーキチーム技師補)。DC45ボルトの無励磁ブレーキに電圧180ボルトを0.2-0.5秒間加えると22.5ボルトに減少、熱を75%抑えられる仕組みだ。これで90度Cが22.5度Cに低下する。試作の電源装置を納めたが製品化寸前で顧客が計画を中止、「自社の標準品としてのラインアップを模索した」(同)。
だが、無励磁ブレーキだけでは製品として数量が確保できないというのが営業・製造部門の反応。そこで励磁型クラッチブレーキの電源装置として使えないかというアイデアが出された。ただ、励磁型は応答性が命で、「回路の応答性を5倍高める必要があった」(同)。改善を重ねながら商品化を図っていった。
応答性とともに「もう一つの課題が消費電力。エコタイプとして”待機電力ゼロ”を目指した」(同)。待機時間をゼロにして応答性を求めると、ランニングコストを下げるメリットが生まれる。電源装置に入る信号の受け付け部分で特殊なソリッドステートリレーを採用。このある部分を改良して回路に盛り込んでパワー系のON/OFFを実現し、これに制御系のON/OFFが同期して立ち上がりスピードを縮め応答性を高めた。

今後の展開

省エネ、小型軽量を実現したBESだが、さらに「上司からはユーザーの厳しい要求に応えるため、安全規格への対応を促された」(同)。これには1年を要したが、同社初の欧州規格CEマーキングを取得、米国のUL規格を今年度中に対応する計画で、中国のCCC規格も視野に入れて活動している。