ものづくり日本会議

2010年受賞部品

電気・電子部品賞

UVチューブ

山武

製品概要

火炎検出器に内蔵される紫外線を検出するセンサー。顧客の保守コストを抑制するため、ガラスパッケージの放電管での開発にこだわった。
耐振動性や耐衝撃性の向上のため、小型化を図り、従来は安定した火炎検出が難しかったガスタービンの燃焼検出などの過酷な環境で使えるようにした。約10年間の開発期間を経て、市場ニーズを満たす量産化技術を開発した。
自動車のボディーや部品の塗装ラインにおける乾燥炉など各種工業炉の燃焼制御分野で採用されている。欧米でのリスクアセスメントの浸透を受け、2008年に工業燃焼炉の安全通則「JIS B 8415」が改正されたことを追い風にして国内外で受注活動を展開している。

Voice
山武執行役員技術開発本部長 杉野 芳英氏

従来製品より大幅な小型化を実現しました。また、加工・組立工程を圧倒的に高精度にした量産工程を確立しました。これにより施工・メンテ性が良く、高品質で安定した商品をお客さまに安定的に提供できるようになりました。
構造はいたってシンプルですが、技術的に奥が深く難産の開発プロジェクトでした。その意味で、今回の モノづくり部品大賞の受賞を心から素直に喜びたいと思います。今後は、燃焼に関する計測・制御技術のさらなる高性能・高度化を進め、燃焼安全装置分野の事業拡大を図るとともに、海外市場への拡充にも挑戦していくつもりです。

新構造ポリマータンタルキャパシタ Neo Capacitor G/PSシリーズ

NECトーキン(仙台市太白区)
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製品概要

大きさが2.0mm×1.2mmの小型タンタルキャパシターとしては、業界最高水準の大容量と低い等価直列抵抗値(ESR)を実現した。携帯機器に使われる高性能半導体に対し、電力供給とノイズを抑えるデカップリングキャパシターとして需要が拡大。携帯情報端末(PDA)やデジタルカメラを中心に搭載が進んでいる。
タンタルキャパシターは一般に、内部に組み込んだL字型の金属端子によってタンタル素子と外部を接続している。新機種「ネオキャパシターG/PSシリーズ」では金属端子の代わりにプリント基板を採用。誘電体であるタンタル素子の体積効率を従来比1.5倍に高めることで、小型ながら定格電圧6.3Vで47μファラッド(μは100万分の1)の静電容量を持たせることに成功した。また陰極に導電性ポリマーを用い、低ESRと高いノイズ吸収性を実現している。

Voice
NECトーキン執行役員キャパシタ事業部長 山根 雅之氏

受動部品であるキャパシターには、ユーザーであるセットメーカーから常に小型化と高機能化を求められています。競合他社との開発競争も加速する中、当社が開発した基板端子構造は小型・大容量化を実現する一つの答えとなるものです。 もちろん、実用化には外装樹脂の強度確保など多くのハードルがありました。しかしその困難を克服することがキャパシターの封止性を高めることにつながり、結果として高温特性を向上するなど新たな利点をも得ることができました。普段はセット製品の中に隠れて目に触れることがないキャパシターですので、受賞はたいへん光栄であり、これまでの努力が報われる思いです。今後もキャパシターの高性能化に向け製品開発を続けてまいります。

ピエゾ抵抗式防水タイプMEMS圧力センサ(絶対圧検知)「HSPPAシリーズ」

アルプス電気

製品概要

アルプス電気は防水加工を施したピエゾ抵抗式の小型圧力センサーを開発した。微小電気機械システム(MEMS)技術を利用。同方式のセンサーで業界最小水準の直径3.95mm×高さ1.85mmを実現した。携帯電話や腕時計、デジタルカメラなどに搭載し、気圧・水圧測定や水深の検知などに使う。筐体の小型・低背化にも貢献できる。
ピエゾ抵抗式は外部の圧力による膜(ダイヤフラム)のたわみを、膜に装着したピエゾ抵抗素子が電気抵抗値に変換するもの。同社の薄膜プロセス技術や微細加工技術、パッケージ技術を活用。構造や材料を見直すことで、水深50mまでの耐水性と圧力検知機能の向上を両立させた。素子内部の真空構造や外部圧力に影響されにくい接合の安定化にも取り組み、特性のバラつきを抑えた。

Voice
アルプス電気取締役MMP事業本部コンポーネント事業副担当 笹尾 泰夫氏

このたびは大変栄誉ある賞をいただき、ありがとうございます。今回賞をいただきました「ピエゾ抵抗式防水タイプMEMS圧力センサ『HSPPAシリーズ』」は、多くの関係者の努力と支援により生み出されました。改めて関係各位に御礼申し上げます。
本製品の開発にあたっては、弊社が長年培ってきた材料やプロセス技術などさまざまな技術を融合、駆使することで幾多の課題を乗り越えられたものと考えています。弊社はMEMSセンサーをはじめ各種センサーの開発に注力しており、今後も美しい電子部品を究めるモノづくり企業として、お客様に喜ばれる製品づくりに励んでいきます。

リチウムイオン電池充放電保護回路用MOSFET「EFC4612R」

三洋半導体(群馬県大泉町)

製品概要

リチウムイオン二次電池の制御機構に組み込むパワー半導体。充放電時の発熱劣化を抑えるスイッチの役割を果たす。特徴はサイズで、厚さは従来比33%減の0.37mm、実装面積は同39%減の1.59mm2。業界で最小を実現したという。 性能を維持しながら、保護膜をつけることで、これまでより薄いウエハーで耐衝撃性を確保。また、チップと基板の接点となるボールの形状を従来の球形から半球形にして薄型化を達成した。同製品は、鉛やハロゲンを使っていないため、環境負荷も少ない。 リチウムイオン電池は世界的に需要が拡大しており、回路を制御する半導体の小型化ニーズも高まっている。同社では携帯電話向けのほか、小型デバイス用電池での採用を見込んでいる。

Voice
三洋半導体ハイパーデバイス事業部長 夏目 正氏

このたびは部品賞を受賞させていただき、ありがとうございます。携帯機器から自動車用へと拡大と成長を続けるリチウムイオン電池市場において、当社はリチウムイオン電池開発当初の1990年代から電池メーカーと二人三脚で保護回路用MOSFET開発に取り組み、業界標準の製品を次々とつくり上げてきました。受賞対象となった「EFC4612R」はCSP外形ながら高い実装強度を誇る究極の小型薄型MOSFETです。樹脂や他材料の大幅な削減で二酸化炭素の排出低減にも寄与します。当社は今後も快適な生活を支えるパワー&エコデバイスを提供すべく、モノづくりの技術開発に取り組んでいきます。