ものづくり日本会議

2010年受賞部品

奨励賞

温度センサー付きレーザ光路用ジャバラ

ナベル(三重県伊賀市)

製品概要

レーザー加工機のレーザーの光路として使う蛇腹。一定温度になると蛇腹内部にあるヒューズが切れて本体に信号が伝わり、レーザー光の照射を停止する。蛇腹内部に面ごとに張っていた反射板にスリットを入れて、1枚のシートではれるようにし、製造コストを削減した。
内部の温度を感知する製品はすでにあるが、温度を感知する導電性繊維が完全に焼き切れないと異常と感知しなかった。今回の製品は導電性繊維にヒューズと熱感知スイッチを組み込んだ。スイッチは設定温度になると作動し、蛇腹の上部にあるランプで異常を知らせる。既存製品より早い段階で異常が察知できる。

Voice
ナベル社長 永井 規夫氏

3年連続の受賞を大変うれしく思います。当社はレーザー加工機向けレーザー光路蛇腹のパイオニアとして、蛇腹の焼損検知機能に温度センサーを搭載できる反射シート付き蛇腹を開発しました。既存機の補修用としてだけでなく、センサーを搭載しないタイプは低価格志向のアジア市場でも拡販が期待できます。
国際製造技術展(IMTS)と日本国際工作機械見本市(JIMTOF)2010で発表し、今後は世界の市場に積極的に提案する考えです。リーマン・ショック後の市場の変化やメンテナンス重視の時代の潮流に即した新製品であると自負しております。ありがとうございました。

R-251-10103 Pt100Ω表面測定用白金測温抵抗体

ネツシン(埼玉県三芳町)

製品概要

小型化が進む半導体製品の研究開発などに対応した表面温度測定用の白金温度計。この温度計には、ネツシンが開発した世界最小級サイズの白金素子を使う。同素子はセラミックス製のボディー(外径0.4mm、長さ1.5mm)にあけた四つの穴に、太さ8μm(μは100万分の1)のコイル状の白金線が通してある。同素子を縦1mm×横1mm×長さ3mmの表面ブロックに組み込んだことで、同温度計の測温部のサイズ自体も小型化。小さな部品の温度測定ができ、かつ温度測定の応答速度も速くなった。白金線をコイル状に巻く工程などは手作業。今後生産性を向上させ、ユーザーを増やす考えだ。

Voice
ネツシン取締役製造部長 今村 直亮氏

まずは白金温度計の中核部品である白金素子の開発から着手しました。これまでの当社の白金素子の最小サイズは長さ3mm、外径0.4mm。このサイズを半分にすることを目指しました。あまりにも小さすぎて難しいと思いましたが、試作を繰り返し、完成できました。この素子を組み込むことで、測温部が世界最小級サイズの白金温度計も作製できました。
当社は創業以来、白金素子のサイズを限りなく点に近づけることが目標。技術部と製造部が中心に開発に取り組み、担当者以外の者もバックアップしてくれました。もっとユーザーを増やせるように、生産性の向上に努めたいと思います。

エコジオミックス

山一建機(広島市安佐南区)

製品概要

土舗装固化材「エコジオミックス」は発泡ガラスと中性固化剤、酸化マグネシウム、真砂土で構成。固化時間を7分の1の24時間に短縮し、環境にやさしいリサイクルが可能な舗装材だ。
これまでセメント・液化樹脂で固化するのが一般的。セメントは強アルカリ性で六価クロム溶出の可能性があり、樹脂は高価。エコジオミックスは弱アルカリ性で、植物や人体に無害。土・砂などを固めて災害を防止し、自然の真砂土なので景観を損なわない。二酸化炭素を吸収しながら固まり、雨水の透水・保水、ヒートアイランド減少緩和効果も期待。1袋20kgで、100cm×50cm(厚さ3cm)を施工できる。

Voice
山一建機社長 山根 一行氏

思わぬ賞をいただきました。これを契機に、より一層、環境製品の研究開発取り組みたいと考えています。わが社が環境や景観、エコロジー製品の開発に着手したのは、およそ10年前ぐらいです。舗装機械の製造販売は、創業時からですが、エコジオミックスの開発には、この技術とノウハウが役立ちました。紆余曲折の末、一般に使用してもらえる舗装材を開発できました。
従来のセメント系舗装材は、固める際に有害物質の発生の恐れがありますが、これを技術力で解消できました。それに、廃棄ビン、ガラス、カキ殻を発泡させたリサイクル多孔質物質を使い、環境にやさしいのも自慢です。

ローノイズ小型固体ブルー/グリーンレーザー「LUMICUBE HK-5620/HK-5625」

島津製作所

製品概要

島津製作所は出力を数十mWクラスにまで高めた「ローノイズ小型固体ブルー/グリーンレーザー『LUMICUBE HK‐5620/HK‐5625』」を開発した。レーザーの性能や価格、大きさに影響する「光ノイズ」の発生を独自の制御技術で低減、媒質には多結晶体のNd‐YAG(ネオジム・ヤグ)セラミックスを活用するなどして発光効率を安定化し、使い勝手を高めた。従来品は出力が数μW(μは100万分の1)-数mWで写真の印刷に使うデジタルミニラボ装置の光源として用いられていたが、これらの改良により、DNA解析装置やレーザー顕微鏡、網膜検査装置などの光源向けに応用範囲を広げた。

Voice
島津製作所常務取締役 吉田 由紀夫氏

当社の写真印刷分野用レーザーは、これまで国内外で約5万台以上ご利用いただいた実績がありますが、その技術と経験を生かして産業・分析計測分野向けに利用しやすい高付加価値ローノイズ小型レーザーデバイスを開発することができました。
日本発で世界に誇れる高性能レーザーのモノづくりに携われたことを光栄に思います。これはすべてお客さまの多くのご支援の賜であると感謝しています。長年にわたり開発・製造に取り組んできた成果が認められたことを喜ぶとともに、社員の努力にねぎらいの言葉をかけたいです。これを励みにさらに良いデバイスを世に出してモノづくりで貢献していきたいと思います。

メタルインターポーザ内蔵QFPと極薄0.16mm厚LGAに用いられる金属配線シート

大日本印刷

製品概要

高精度エッチングと高精細メッキ技術を駆使し、微細配線機能と剛性を持たせた極薄金属配線シートを開発した。厚さ39μm(μは100万分の1)の3層構造で、50μmの狭ピッチ銅配線ができる。集積回路(IC)チップの小型化に対応が難しい「QFP」リードフレームとの中継基板として用いる。高騰する金線の使用量を最大で半減できるなど、低コスト化が求められる半導体パッケージに威力を発揮する。開発した金属配線シートは、携帯電話端末をはじめ、モバイル機器のダウンサイジングや低コスト化に最適な極薄0.16mm厚のLGAパッケージも可能にした。

Voice
大日本印刷電子デバイス事業部研究開発本部長 浜野 洋氏

昨年の「積層可能・超薄型0.15/0.2mm厚パッケージ用リードフレーム」の電気・電子部品賞受賞に続き、今回の奨励賞受賞を大変うれしく思います。  今回受賞致しました金属配線シートは、長年培ってきましたモノづくり技術のケミカルエッチングや表面処理技術を半導体パッケージのQFPとLGAに今までにない形で適用したものです。金属配線シートをQFPにインターポーザーとして内蔵することによりボンディング金ワイヤの削減を図り、LGAのインターポーザーとして適用することで超薄型化を実現しました。変化の激しい昨今、今後も継続して新製品開発を推進していきます。

自動車外装部品内蔵デジタルテレビアンテナおよび自工程完結ライン

小島プレス工業(愛知県豊田市)

製品概要

地上デジタル放送を受信するための車載用アンテナ。軽量・薄型で折り曲げられ、設置場所の自由度が高い。0.06mmの銅箔を樹脂で挟んだアンテナ素子を用い、90度の折り曲げも可能にした。素子に鋼板を使う従来品より21%軽量化した。リヤスポイラーやバンパーなど外装部品の内部に張り付けられる。同製品の生産に当たり、プリント基板とアンテナ素子をハンダ付け直後に一体化する小型成形機とハンダ使用量を98.5%削減した超小型汎用実装機を開発。製造コストと製造時のエネルギー使用量を抑えた。すでにトヨタ自動車の4車種に採用されている。

Voice
小島プレス工業電子技術部主査 加藤 達朗氏

奨励賞を受賞でき、心から感謝しています。今回の開発では、製品開発の技術と同時に、当社のコア技術である生産技術を追求しました。製品開発技術ではアンテナエレメントを薄くして搭載自由度を向上し、バンパーやスポイラーなどの自動車外装部品内部への搭載を実現しました。生産技術では小型設備を開発してインライン化を可能とし、生産ラインを自工程完結としました。
その結果、中間在庫ゼロ、品質の安定化、製造エネルギーの低減を実現しました。モノづくりの技術があってこそ、良い製品が開発できます。今後もお客さまや製造現場に喜ばれるモノづくりを実践していきます。

フレキシー・スライドベース

タカオ設計事務所(千葉県流山市)

製品概要

プラスチック射出成形用金型におけるアンダーカット形状処理の支援装置「ルズコン-30」の機構部品。従来のスライドベースは1個の金属ブロックから削り出したが、本体を分割構造にすることで、加工時間を2割短縮し、切削時の切りくず量を8割カット。製品のコストダウンを実現した。強度は従来とほぼ同等。
ジョイント部に回転抑止機能を追加してロッドの組み付け性を改善。組み付け前におよその角度設定ができる。傾斜設定角度は最大45度。表面に窒化処理を施して、作業時の耐摩耗性も高めた。今後は雑貨品など比較的小さなプラスチック成形の分野などに販売促進を展開していく方針だ。

Voice
タカオ設計事務所社長 鷹尾 汎氏

大手企業が名を連ねる中、中小企業である当社が受賞できたことを大変名誉に感じています。「ルズコン-30」は性能の高さで引き合いが多く、コピー品が多数出回るほどです。受賞した「フレキシー・スライドベース」は、削り出しで製造する従来品に強度を近づけるべく、約2年を試作に費やし、組み付け方法に工夫を凝らしました。市場の評価が高く、コピー品に対する差別化も成功したと考えており、今後大いに期待できます。
最近、新規のルズコンユーザーが増えてきました。今回の受賞を一つのPR材料にし、小物プラスチック成形などの新分野や海外にも積極的に市場を広げていきたいと思います。

マグニクレードルSシリーズ

不二越

製品概要

「マグニクレードルSシリーズ」は小型、省スペースで耐荷重性を高めた免震装置だ。2層のプレートが揺れに合わせて動き、地震の衝撃を緩和する。地震発生時の加速度を最大10分の1に抑えることができる免震性を備えた。
最大積載荷重は1ユニット当たり2500kg。製品上にコンピューターのサーバや医療機器、美術品を置いて地震の衝撃から守る。また免震効果の大きいレール支承を従来の2層式から単層式に改良することによって小型・軽量化を実現した。奥行き1200mm品で重量120kgと、従来機種に比べて約1割軽い。

Voice
不二越部品事業部技師長 渡辺 孝一氏

賞をいただいたことは今後の商品改良の励みになります。免震機器としての卓越性を認知してもらえました。精密機器は一般に振動などの外力に弱く、IT機器の高精度・高密度化にともない、機器を地震から守る考え方が今後も浸透していくと思われます。医療機器や美術品の免震機器としても採用がすすみ、着実に実績をあげています。免震機器はその構造原理から減衰機構が不可欠であり、本製品は転がりとすべりが混在する摩擦を減衰として利用しました。これを具現化する構造として独自の公差型レール溝を設定し、開発に取り組みました。今後はさらなる軽量化、薄肉化に挑戦したいと思います。

電磁式デジタル計量ユニット・UF-620

新光電子(東京都文京区)

製品概要

電子てんびん並の高精度を、製薬や二次電池製造の自動機械に組み込みやすい歪みゲージ式ロードセル同様の部品感覚で利用できる重量センサー。一体構造型計量ブロックを搭載することでセンサー幅56mmとコンパクトにし、測定範囲620gで精度は62万分の1と、歪みゲージ式ロードセルの100倍にした。歪みゲージ式ロードセルを組み込んだ場合に必要な表示部に相当する装置が不要なため、価格を20%程度抑えられる。信号処理系と独自のサーボ制御回路で、従来の同社製品と比べ2倍の高速応答を可能にした。保護等級IP65適合の設計を施しているため、電解液の付着などへの耐性も高い。

Voice
新光電子社長 安西 正光氏

2009年に高精度音叉式分析てんびんが「中小企業優秀新技術・新製品賞」優良賞を受けたのに続いての受賞で、うれしく思っています。大学などと研究を積極的に進めた結果だと考えております。
リチウムイオン電池の電解液や薬液の充填では、わずかな誤差が重大な事故につながりかねず、高精度に重量を測定する必要があります。当社は国立天文台の光学式赤外線望遠鏡「すばる」などにも導入された高精度な力センサーの技術を持っており、この製品に応用しました。今後は電気自動車(EV)向けなどの測定範囲が大きい製品、錠剤向けなどのコンパクトな製品などの開発に挑戦する方針です。

USB3.0対応ホスト・コントローラ「μPD720200」

ルネサス エレクトロニクス

製品概要

電子・電気機器のインターフェース規格USB3.0に準拠した制御LSI。データ転送速度をこれまでの10倍以上の5Gbps(Gは10億)を実現した。USB3.0に対応したホストコントローラーチップの製品化は2009年の発売時は世界初だったという。10年3月までに300万個の供給実績がある。
USB3.0に対応したパソコンは出荷が増えており、11年見通しで市場の3割以上に達する。また、今後はデジタルビデオカメラなどによる写真・映像の転送用に加え、ハイビジョン画像やブルーレイディスクなど大容量の記録メディアの転送速度を求めるニーズも高まりそうで、用途のすそ野は広がる。

Voice
ルネサス エレクトロニクス取締役執行役員常務 矢野 陽一氏

当社は、1996年よりUSBの仕様策定から積極的に関与し、世界中に先駆けてお客様へUSB製品を提供しています。今回奨励賞をいただいた「μPD720200」は世界で初めてUSB3.0規格に準拠したホスト・コントローラLSIであり、パソコンやデジタル家電の大容量データの転送時間を大幅に短縮できます。昨今、インターネットを介した動画の公開・閲覧など新しい文化が普及しつつありますが、新製品はこのようなライフスタイルの変化に役立つと考えています。当社は今後も人々の生活を豊かで便利なものに貢献できる半導体製品を積極的に開発していきたいと思います。

Delta Rays Power レイズユニット

近藤工芸(川崎市高津区)

製品概要

近藤工芸が開発した発光ダイオード(LED)照明「デルタレイズパワー」は0.5WのLEDを搭載したランプユニット。従来、LEDは一つのケースに数多くのLEDが集積しているが、同製品は個別に独立しているため、LEDランプの交換を可能にした。照射は直進だけでなく側面と背面からの反射の3方向からなり、空間全体の照度を上げる。また、LEDを熱から守る工夫としてLED一つひとつにヒートシンクを設置することで、表面温度を約40℃に安定させた。製品の材料はポリカーボネイトと銅で全体の99%を占めるシンプルな構造。両材料ともリサイクルが可能であり、環境に優しい。

Voice
近藤工芸社長 近藤 真一氏

これまで行政による選定や認定はお受けしてきましたが、民間による受賞は初めてであり、社員ともども喜んでおります。この受賞によって、弊社の事業や製品を広く世に知らしめることができます。
昨今の経済不況で技術だけでは会社経営はできないことを思い知らされていますが、受賞は自分たちが行ってきたことが決して間違っていなかったと感じることができました。今後は弊社の強みである遠方照射による配光設計を生かし、常に「お客さまにとってベストな方法は何か」を考え業務にあたってまいる所存です。

ゼロチップタップ

田野井製作所(東京都品川区)

製品概要

機械本体から切削油を、タップ側面の「サイドスルー溝」を経由してタップ刃先に直接供給して、冷却・潤滑し、発生した切りくずを排出するタップ。現在一般的なタップ軸芯を経由して油を供給する「オイルホール付タップ」と比べて、切削油量が増えるため、工具の寿命を大幅に延ばせる。また、切りくず詰まりによる折損も発生せず、安定したネジ加工ができる。切り刃の再研磨も可能。タップ軸芯に穴をあける必要がないため、小径寸法のタップも製作できる。
また、オイルホール付タップでは不可能だったミスト加工に対応しており、油の使用量を削減できる。

Voice
田野井製作所社長 田野井 義政氏

このたびはありがとうございます。自動車メーカーなどお客さまの満足を得られる製品として、お客さまからだけでなく、こうした賞で認められて大変うれしいです。「ゼロチップタップ」はコネクティングロッドなど自動車の足回り部品を中心に、大変難しい加工に向いたタップです。切りくずの排出と冷却に役立ち、工具の寿命も数倍以上に伸びるなど、お客さまのトラブル解消に向けて期待度が高い商品です。
また、近年は環境負荷低減への関心が高まっていますが、ミスト加工に対応するため切削油を減らせます。開発して1年半。受賞を機に、これから3年間でさらに拡大したいと考えています。

停電作動型電動機

テクノバッグ(東京都墨田区)

製品概要

ボール弁バルブなど各種バルブと組み付けて、緊急遮断弁として使用する部品。通常時はゼンマイの力を蓄えた状態で、交流電源によりバルブの作動弁として機能する。停電時や緊急時など電源がなくなったときに、ゼンマイの弾性でバルブを的確に遮断する仕組み。火災や地震など緊急時でも機能するため、2次災害など災害の拡大を防ぐ。25Aフランジ使用のボール弁式バルブと組み合わせる場合、質量と寸法を同社従来品と比べて約60%軽減した。小型化によりこれまで施工が困難だった配管工事が可能となったほか、部品点数を減らしているため、メンテナンスも安全、容易になった。

Voice
テクノバッグ社長 内山 眞氏

このたびは栄誉ある賞をいただき、ありがとうございました。ひとえに皆さまのおかげです。「停電作動型電動機」は、停電時など緊急時に緊急遮断弁として使用できる部品です。災害の拡大を防止する機械として喜ばれています。サラリーマン時代から、バルブをコントロールする電動機の開発に携わって約40年、独立して約20年。ようやく、自信を持ってお客さんに薦められる電動機を、シリーズとしてまとめられました。その製品を評価され、今までの苦労が報われた思いです。これまで続けてきて良かったと思います。これを契機に、ますます発展する所存です。

大ビーム位置検出器(Big・BPM)

入江工研(東京都千代田区)

製品概要

大強度陽子加速器施設(J‐PARC)のシンクロトロン加速器に入射される陽子ビームの位置を検出する装置。長方形の検出器本体と、その外側を覆う両端にフランジを有する円形の真空容器で構成。電極を大型の長方形にするとともに圧力の影響をゼロにするために、真空容器の外筒と電極を固定するハウジングを分離した。耐放射線性や軽量化に対処するために、電極、真空容器、ベローズの材質をチタンにした。電極間の静電容量のバラツキ特性が向上している。内部真空、大気圧による静電容量の変化はゼロになった。溶接時のシールドガス条件や治具を研究し、酸化が極めて少ない溶接技術を開発した。

Voice
入江工研社長 入江 則裕氏

派手ではない技術が社会の役に立っていると評価を受けたことは、社員の励みになります。今後も省エネにつながる製品や核融合炉の部品など、積極的に生み出していきたいと考えております。  当社は鉄道用などのベローズの製造から始まっています。その後、高真空技術分野に進出。現在は半導体製造装置用各種真空ベローズや真空バルブなどを作っており、再び鉄道分野にも注力しています。「こんなものは作れないか」というアイデアを元に、次々と製品開発を進めていますが、すべての製品に共通するのがベローズの応用製品だということです。今後も技術力をアピールしていきたいと考えています。