ものづくり日本会議

2012年受賞部品

電気・電子部品賞

細管型標準白金抵抗温度計 NSR-U230

ネツシン

製品概要

ステンレス保護管先端に、外径0.8mm、長さ8mmの高感度測温素子を収めた、業界最小クラスの細管型標準温度計。自社従来型と比べて素子の直径・長さを3分の1以下に小型化。応答速度を同従来比で数十倍とした。プローブの他、省スペース性を生かし、半導体チップ表面に貼っての温度計測が容易。
高精度の基礎を支えるのは、高純度セラミックスと太さ18μm(μは、100万分の1)の高純度白金線。同白金線を、異物からの汚染を押さえるために整えたクリーンな環境下において、100Ωの抵抗となるように微細コイル化。こうした巻き作業には、十分なキャリアを持つ熟練の作業者が当たる。巻きムラがあるとたちどころに精度に影響するため、大いに技能が必要な作業局面だ。
こうしてできたコイル4本を高純度セラミックスに空けた4つの微細孔に封止し、ステンレスプローブ先端に仕込んだ。
高応答性に加え、測定値の直線性、再現性(±2mケルビン)に優れる。また、500℃の環境下でも、±2mケルビンと測定値の安定性を保つ。

Voice
ネツシン 専務取締役 今村 友亮 氏

当社の「細管型標準白金抵抗温度計 NSR-U230」が名だたる大手企業の一角に加わり、 モノづくり部品大賞の「電気・電子部品賞」を受賞できたこと大変うれしく光栄に思います。
温度計というと、一般には地味な印象を持たれると思います。しかし、昨今のモノづくり環境において、安定した品質維持管理のためにも、温度は非常に重要なファクターとなります。特に、微細化が進む半導体業界や、宇宙航空業界、各国の研究機関などで、温度管理に対しての関心が高まりを見せています。
今回の受賞製品は、今現在より将来の需要をにらんだ製品です。製造が手作業主体で量産化に課題がありますが、日進月歩で改革を進める所存です。

小型・高信頼性LGAパッケージ用リードフレーム

大日本印刷
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製品概要

大日本印刷は、携帯電話などに使われる小型電子部品(パッケージ)「QFN」と比べ、体積比で6割削減した「小型・高信頼性LGAパッケージ用リードフレーム」を開発した。パッケージ構造は、上面を従来の四角形状から見直し、截頭で円すい状にした。サークル状の端子配列にして、ハンダ接合部にかかる熱ストレスを各端子に均質化したことで、小型化ながら信頼性も3倍に伸びた。
パッケージサイズは、10mm角で端子数は最大88ピン。端子部分の加工は、変形に耐えるよう根元部分を太くする工夫も加えた3Dエッチング技術を採用したことで、歩留まり率は従来比30-50%向上した。金型内に樹脂を流し込むトランスファーモールド方式により、従来0.5mmだったモールド(樹脂封止)周辺厚は0.2mm。-40℃から125℃までの実装基板温度サイクル試験では、3000サイクルで不良率1%以下を実現した。電子制御ユニット(ECU)の需要増加を背景に、自動車や医療分野の機器の高精度化に寄与することが期待される。

Voice
大日本印刷 電子システムセンター センター長 森桶 善嗣 氏

このたびは栄誉ある賞を頂き、感謝致します。小型・高信頼性半導体パッケージHM(ハットメタル)LGAは、車載用途として求められるパッケージの小型化および基板実装信頼性を実現するものです。実装時の熱ストレス低減や熱応力均等化のためにハット(帽子)形状を採用し、外部端子を円弧状に配列することで、小型でありながら高信頼性を実現しました。
長年培ってきた微細加工技術を基に開発したエッチング技術で、円弧状端子配列のリードの断面形状と厚みを制御するとともに、量産性を向上させました。当社では、今後も市場のニーズに応える独創的な製品の開発を推進していきます。

ローノイズ小型固体グリーンレーザモジュールBEAM MATE-LN

島津製作所

製品概要

光ノイズ特性を1%以下に抑えた島津製作所の「ローノイズ小型固体グリーンレーザーモジュール BEAM MATE(ビームメイト)-LN」。小型軽量といった既存のグリーンレーザーモジュール「ビームメイト」の特徴を受け継ぎながら、感度や測定精度に影響を与える光ノイズを低減。高速スキャンや高速信号処理を行う装置への適用を可能にした。
10℃-40℃の実用範囲で、ノイズ特性値を分析機器機などで求められる1%以下に抑えた。DNAシーケンサーやレーザー顕微鏡などの分析計測機器や網膜検査装置などの医療機器、高精細ディスプレイの光源として展開が期待される。
従来、光ノイズを低減するには、装置構成が複雑となり大型化、コスト高が避けられなかった。同社は、小型で高効率化を実現するマイクロチップレーザー素子を開発。駆動回路をレーザヘッドと一体化して小型・軽量に仕上げた。
また、乾電池を電源に使うことを想定して3Vの入力電圧で駆動できるようにするなど機器組み込み性にも配慮した。

Voice
島津製作所 取締役社長 中本 晃 氏

ローノイズ特性で、小型ながら安価という特徴を持ち、分析計測機器や医療機器、産業計測機器の光源として幅広いお客さまに支持されている製品です。当社製レーザーは、これまで国内外6万台以上の販売実績がありますが、常に世界を見ながら、基盤となるモノづくり技術を磨き、日本のレーザー製品の地位向上に努力をしてきた成果と考えます。
6期連続で表彰いただいたことを大変光栄に思うと同時に、この受賞は全てお客さまからの多くのご支援の賜であると感謝しています。
これを励みに今後も常に新しいことに挑戦し、世界ナンバーワンでオンリーワン商品を創出するために、モノづくり技術を磨いていく所存です。

IC内蔵基盤 SESUB

TDK

製品概要

TDKの「IC内蔵基板『SESUB(セサブ)』」は、表面に実装していたICを基板に埋め込むことによって、基板面積を削減する技術。電子部品を、基板上に水平に並べるより、約3割の表面積を減らせる。表面実装に比べて配置の自由度が増す上、部品同士の配線を最適にできることから特性向上にも役立つ。
ICの内蔵には、磁気ヘッドのような「ナノの塊」である精密機械を微細に削り出す加工技術が生かされている。これにより、特性を落とすことなくICを極限まで薄く削ることができるため、0.3mmの薄型化を実現した。小型電源モジュールなどを商品化しており、スマートフォン(多機能携帯電話)メーカーなどに展開している。
スマートフォンなどの小型端末は、高機能化に伴って搭載する部品の数が増加している。だが、最終製品の大きさ自体は小型化の傾向にあるため、部品1個当たりの搭載面積は縮小する。一方SESUBは、こうした限られたスペースを最大限活用できるため、電子機器の進化を支える技術として期待される。

Voice
TDK 取締役 専務執行役員 植村 博之 氏

このたびは、電気・電子部品賞を賜り、誠にありがとうございます。当社の持つノウハウを駆使し、熱意を持って製品開発を進めてきたことが、薄さ300μm(μは100万分の1)の「IC内蔵基板『SESUB』」の受賞につながったと考え、一同喜んでおります。
さらには、当社の得意とする低背受動部品をこのSESUB基板上に搭載することで、スマートフォン向けの小型、低背電源管理モジュールも製品化することができました。
このたびの受賞を励みとして、今後も引き続きさらなる製品開発を進め、お客さまにご満足いただける製品を提供してまいりたく存じます。