ものづくり日本会議

2012年受賞部品

生活関連部品賞

重量シャッター用危害防止装置「エコセーフ」

文化シヤッター

製品概要

文化シヤッターが開発したシャッターによる挟まれ事故を防止する危害防止装置「エコセーフ」は、電源によるバッテリーを必要としないのが特徴だ。危害防止装置は、国によって設置が義務づけられている。
現在は、電気制御式が主流で、停電時でも確実に作動させるために非常用バッテリーを設置する必要がある。だがエコセーフの場合、機械式で作動するので1個数万円のバッテリーが不要となる。バッテリーにかかる待機電力もなく省電力にもつながり、防災とエコを実現している。
これまで防災専用手動式シャッター向けに搭載してきたが、2012年6月から毎日開閉される「管理併用電動式シャッター」にも展開し、ラインアップを増やした。
構造はワイヤリールで機械的に信号を送るシンプルな機構を採用。この装置を取り付けたシャッターでは、非常時にシャッターが降下してくると障害物を感知するとユニットが働き、シャッターを停止させる。その後障害物がなくなったことを感知すると、自動でシャッターが再び降下する。

Voice
文化シヤッター 取締役 上席執行役員 商品開発担当 兼 商品開発部長 嶋村 悦典 氏

バッテリーを必要とせず、電気をつかわずに作動する仕組みは、実現にはいくつもの壁を超える必要がありました。それだけに受賞は「うれしい」の一言に尽きます。
機械的な構造を導入するには、ストロークをたくさんとれば済みます。しかし、製品の構造を大きく変更できない制約要因があったため、構想から実現までに6年以上の月日を費やしました。社内からも「電気式の方が安全ではないか」という声もあり、理解を得るのに現場の従業員にも苦労をかけました。
シャッターは安全に動いてこそ、機能を発揮するものです。防災と環境をキーワードに、今後も安心・安全なシャッターを生み出していきたいです。

木造住宅用制震ダンパー「MIRAIE(ミライエ)」

住友ゴム工業

製品概要

住友ゴム工業の「木造住宅用制震ダンパー『MIRAIE(ミライエ)』」は、同社が独自開発した特殊ゴムを使い、地震の揺れを最大70%低減し、家の損傷を防ぐ。特殊な構造と接着方法を採用し、優れた経年耐久性があるため、定期的なメンテナンスも不要。長期にわたって地震から住宅を守る。
MIRAIEは、レース用タイヤの研究開発から誕生した高減衰ゴムと呼ばれる特殊ゴムを使い、木造住宅用の制振技術として開発。ダンパー上部に取り付けられた特殊ゴムが変形することで、地震の振れを瞬時に変換・吸収する。これにより、建物の変形を抑えて損傷を減らす。
ゴムの持つ伸縮性を活用し、突発の地震やその後の繰り返して発生する余震にも継続的に効果を発揮。鉄板と高減衰ゴムの接合には、熱と圧力をかけて化学反応によって強固に接着するため、60年経過してもゴムの性能はほとんど変わらないという。 振動の吸収性能が高い特殊ゴムを採用することで、ダンパーの設置数を最小限に抑え、取り付けも簡単。そのため、業界トップクラスの低価格を実現し、施工時間を短縮する。サイズは、高さ2585×幅800mm。

Voice
住友ゴム工業 常務執行役員 ハイブリッド事業本部長 福本 隆洋 氏

「木造住宅用制震ダンパー『MIRAIE(ミライエ)』」は、2度の大震災を経験した当社の強い想い「住む人へさらなる安心・安全を提供し、大切な資産である住まいを守るお手伝いがしたい」のもと、独自の「高減衰ゴム」をはじめとする高い制振技術によって開発したものです。発売後は、その高いサポート体制から多くのビルダー様のご支持を頂いております。
今回の受賞を励みに、さらなるサポート体制の充実に努めるとともに、住宅のご購入をお考えの皆さまにMIRAIEをもっと知っていただき、この地震大国日本で安心・安全な住まいづくりを応援していきたいと考えております。

マルチ-V工法(パスカル君)

三興建設

製品概要

三興建設の「マルチ-V工法(パスカル君)」は、新タイプの下水道仮排水工法。仮排水工事は、下水道など管路の敷設替え工事の際、バイパス工事を施して臨時に汚水を処理するもの。心臓外科手術における心肺維持装置のようなものだ。従来の工法は、大がかりな装置が必要でコスト高になりがちだった。
家庭内の桝専用のバルーンストッパー、自動真空弁、真空タンクユニット、制御ユニットなどからなる。桝内の汚水を真空方式で吸引するのがポイント。汚水によるフロートの浮力で、ボールバルブを開閉し汚水を排出する。排出後、浮力がなくなるとボールバルブは閉じる。電気や圧縮空気などのエネルギー源が不要で、大幅にコストダウンできる。1台の制御ユニットで最大80台の自動排水が可能だ。配線工事なども不要で作業効率もアップする。
2012年4月の完成以降、東日本大震災の被災地に重点的に提案。翌5月には、茨城県潮来市の開削工法の仮排水工事に採用されるなど、順調に滑り出した。震災対策だけでなく老朽化した管きょの更新・改築全般に対応でき需要拡大が見込める。

Voice
三興建設 代表取締役社長 越智 剛 氏

このたびの東日本大震災による復興で、懸命に汗を流しておられるボランティアの方々や劣悪な環境で生活を余儀なくされている大勢の被災者の方々の姿を目の当たりにし、当社も仕事を通じて、一日でも早い下水道復旧のお役に立ちたい一心で開発に専念しました。復旧工事に全力で取り組む中、「もっと良い方法はないか」、「もっとシンプルでリーズナブル、かつ衛生的な方法はないか」と直感したのが開発のコンセプトでした。不眠不休で開発に取り組んだ6ヵ月、燃えるような使命感だけが支えでした。当社のような企業が受賞できるとは夢にも思っておらず、感謝感激しております。
これを励みに社会の役に立つモノづくりに全社を挙げて取り組む所存です。