2015年受賞部品

健康・バイオ・医療機器分野

低濃度オゾン除菌消臭器「オゾネオ」シリーズ

日立マクセル

製品概要

 日立マクセルが開発した低濃度オゾン除菌消臭器「オゾネオ(OZONEO)」は空気中に漂う菌やウイルス、においの元を低濃度オゾンによって、反応、分解、不活性化させる機能を持つ。菌は6時間で99.9%除菌でき、クローゼット内をはじめとするカビ対策に適している。消臭効果にも優れており、アンモニアといった嫌な臭いを低減できる。
 特許技術である「多重リング式コロナ放電」の搭載により、低濃度オゾンとイオン風を発生させ、除菌・消臭する。回転機構をなくしたファンレス設計で、動作音がほとんど聞こえず、寝室や病室といった静かな場所で快適に使用できる。
 サイズは幅52.5mm×奥行き52.5mm×高さ130mm。重さは約230g。消臭器内部に充電式のリチウムイオン電池を搭載するとともにコンセントに差し込んで使う専用のACアダプターを用意する。利用シーンに合わせて使い分けができる。

Voice
日立マクセル 執行役員コンシューマ&ソリューション事業本部長
乘松 幸示氏

 当社では、技術革新が絶えない「自動車分野」、暮らしをサポートする「住生活・インフラ分野」、生活に潤いを与える「健康・理美容分野」においての事業強化を推進しておりますが、この「オゾネオ」に採用した低濃度オゾン技術(多重リング式コロナ放電)は、まさにこれらの成長3分野で活躍できるものと確信しています。実際、6月から7月に実施した「オゾネオ効果実感キャンペーン」においても、様々な生活シーンで多くの皆様から実感の声が寄せられました。この度の受賞を励みとし、より一層お客さまにご満足いただけるモノづくりに邁進してまいります。

非金属車いす

アグメント

製品概要

 アグメントの非金属車いすは金属を一切使用せず、車体をボックス構造とすることで十分な強度と機能性を持たせている。部材ごとに強度条件が異なるため、合板、強化木、樹脂などの非金属材料を使い分けている。
 同社は車軸受部に高価なセラミックベアリングを使用せず、ガラスベアリングを採用し、価格を抑えた。ガラスベアリングは耐荷重性能では劣るが、これを補う構造とし、JISの走行耐久試験をクリアした。
 空港での使用の場合、この車いすに乗ったまま金属探知ゲートを通過できる。さらには旅客機の機内通路も肘かけを外すだけで乗ったまま移動できるサイズに仕上げており、チェックインカウンターから機内座席まで、乗ったままでの移動が可能になる。ボディーチェックの煩わしさや乗り換え時の転倒リスクが軽減される。
 非磁性体だけで構成されるので、磁力の強い高解像度型MRI検査室内にも乗ったまま入ることができる。

Voice
アグメント 社長 柵木 貞雄氏

 この度は、「健康・バイオ・医療機器部品賞」を賜り、誠にありがとうございます。
「非金属車いす」はすべて非金属素材でありながら、素材と車体構造を吟味することで、一番の課題であったJISの走行耐久試験をクリアする強度を確保することができました。また、コスト上のネックとなっていたベアリングについても独自の軸受構造とベアリングを使用することで大幅なコストダウンを実現しました。
今回の受賞を励みとし、今後も”モノづくり”を通して社会貢献に努めて参りたいと考えております。

建設作業サポートウェア「職人DARWING」

ダイヤ工業

製品概要

 ダイヤ工業の「職人DARWING(ダーウィン)」は、竹中工務店と共同開発した着るだけで建設作業者の疲労を軽減するウェア。機械的なパワーアシストは使わず、繊維が伸縮する力で姿勢と動きをサポートし体の負担を減らす。腰痛や特定部位の使いすぎも防止する。高齢化の進む建築現場の労働環境改善に貢献する。
 筋肉全体に圧力をかけパフォーマンスを向上するスポーツ用コンプレッションウェアとは違い、ダーウィンはコルセットなど体にフィットさせる医療用品メーカーとしての経験から着想した。瞬間的なパワーを発揮する表層筋と正しい姿勢や関節の動きを保つ深層筋のそれぞれに働きかけ、長時間無理のない作業を可能にする。
 また、建設作業は左官やトビなど職種ごとに姿勢や動作が大きく異なる。現場のヒアリングを元にサポートする部位の違う3タイプを設定し、最も疲れの少ないものが選択できるようにした。現在は女性向けの「小町」もラインアップする。

Voice
ダイヤ工業 社長 松尾 正男氏

 経営者にとって一番の任務は、社員の将来に明るい光をともすことだと思っています。その意味でも開発した若い社員たちの励みとなる今回の受賞は大変ありがたく感じています。また、竹中工務店様とコラボできたのは非常にラッキーでした。我々が製品づくりで追求してきた「人間らしさの尊重」や「その人の能力を生かす」といった点に共感いただいたと考えています。
 1社ができることはわずかでも連携すれば可能性は大きく広がります。今後も人体へのフィッティング技術をコアに、さまざまな連携を通じ理想の製品を追求してまいります。