ものづくり日本会議

2015年受賞部品

機械部品賞

高速度カメラ FASTCAM Mini UX100

フォトロン

製品概要

 「FASTCAM Mini UX 100」は、生産現場などでの製品検査などに使える高速度カメラだ。ボディーが大きく、機能を盛り込みすぎて高額だった高速度カメラを、基本性能を中心に最低限の機能だけにして設計を全体的に見直すことで価格帯を下げ、生産現場への普及を目指した。画面解像度1280×1024で1秒あたり4000コマと従来品と同等の速度性能を確保しつつ、体積と質量を75%減らし、小型化した。
 小型化したことで、顕微鏡やアームなどへの取り付け、拡大レンズの使用など用途が拡大。内燃機関の燃焼試験や切削挙動の確認などに使える。オプションで、従来品についていた機能の補充もできる。ニコンのFマウントGタイプと、Cマウントレンズが使える。
 現在は、UXの設計思想を受け継ぐ超高感度の「AX」に、超高解像度の「WX」と高機能製品をそろえた。同社は今後も普及価格の高速度カメラシリーズで、ユーザーの生産改善に寄与していく。

Voice
フォトロン 社長 布施 信夫氏

 「FASTCAM Mini UX」シリーズは、思い入れのある製品だけに、受賞はすごくうれしく思います。当社は1992年以来、高速度カメラを提供し続けています。かつては、撮影スピードと機能面の向上を主眼に開発したため比較的高額で、研究機関など限られたユーザーにしか手が届きませんでした。当社の理念は「業務効率の向上に貢献」すること。カメラをより普及させて多くのユーザーに使ってもらいたく、設計思想を見直して作ったのが、UXです。これからもより求めやすく、高精度なカメラづくりをすすめてユーザーの生産改善の力になりたく存じます。

静電容量型トルクセンサ「ESTORQ(エストルク)」

第一精工

製品概要

 ロボットの関節部に組み込み、回転動作に伴って発生するトルクを読み取る。人との接触を素早く検知する協調ロボットなどへの応用が見込まれている。従来は歪ゲージ式センサーが使われていたが、同製品は静電容量の変化からトルクを検出するのが特徴だ。
 静電容量式の同センサーは、円環板形状の部品を3層重ねて接合したシンプルな構造。外側の円環である受力体にトルクがかかった時に中央の起歪体が変化する。その変化量を、センサー内部に配置した4対の電極による静電容量の変化から検出する仕組みだ。
 トルク値を補正処理する外部モジュールが不要で、マイコン内蔵も可能。過負荷対策として簡易ストッパー機能をセンサー内部に搭載している。シンプルな構造から、小型軽量で低コスト化を実現。ロボットへの内蔵が容易となった。そのため人と同じスペースで作業する協業ロボットや、介護ロボットの実用化にも大きく道を開きそうだ。

Voice
第一精工 常務取締役技術開発本部長 緒方 健治氏

 このたびは初出品で機械部品賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。関係者一同驚きとともに大変喜んでおります。ESTORQ(エストルク)は、回転動作により発生するトルクを静電容量方式で検出するトルクセンサーで、従来の歪ゲージ式センサーと比べ構造がシンプルであるため、大幅なコスト削減とニーズに合わせた自由な設計を可能にしました。ロボットや自動組み立て装置など幅広く利用が見込まれております。今回の受賞を励みに今後もモノづくりへのあくなき挑戦を続け、未来を開く製品を開発してまいります。

ダストレスシュート

日立プラントメカニクス

製品概要

 日立プラントメカニクスは、粉塵の発生を抑えながら穀物などの粉粒体をトラックに積み込む装置「ダストレスシュート」を開発した。集塵装置など付帯設備が不要になり、導入費や電気代を低減できる。
 円柱状の構造物で、穀物などの搬送物を円柱内部の下端から排出しトラックに積み出す。下端部分の形状を絞り込むことで、流れてきた搬送物を円柱内に一時的に堆積。落下速度を遅くし、粉塵の発生を抑える。
 円柱内には搬送物の流れを整える板を設けた。これにより搬送物中の空気が放出して物体同士が密着。流体のように流れ落ち、粉塵が減る仕組みだ。
 同社の実験では通常の装置に比べ、最大で95.5%の低減効果を得た。装置の導入費用も従来に比べ4分の1程度になる。穀物・サイロ会社など既存市場に投入するほか、化学・肥料など粉粒体を扱う会社も開拓する。

Voice
日立プラントメカニクス 社長 橋本 直人氏

 このたびは栄誉ある「機械部品賞」をいただき、大変光栄に存じます。「ダストレスシュート」は集塵装置のような付帯設備を用いることなく、発塵を抑制する装置です。装置内に粉粒状搬送物溜めを設けることで搬送物を疑似流体化し、さらにシュート排出口近傍に流動抵抗となる二重円環状の整流板を設けることで整流化し、発塵がほぼ発生しない効果を発揮します。省エネや環境負荷の低減に加え、作業環境を大きく改善できます。今回の受賞を励みとして、これからもお客さまや社会に貢献できるモノづくりに取り組んでまいります。

AJコーティングシリーズ 難削材加工用インサート

三菱日立ツール

製品概要

 最新のコーティング技術とブレーカー形状を採用したインサート。工具寿命までの切削距離は、従来品に比べ1.5倍以上と長持ちする。4倍強の長寿命になったというユーザー事例もある。
 新ブレーカー形状はすくい角度を強くしたハイレーキで低抵抗型。アルファ超快削エンドミルAHU形は、ステンレス鋼に適したハイレーキ形状ながら溝加工での突発的な欠損を抑制する。
 新コーティングはアルミニウムの含有量を増やし、かつ皮膜硬度の高い、アルミとチタンのAlTiNコーティング「AJコーティング」だ。通常、アルミ含有量が増すと工具寿命が短くなる。含有物にチタンとアルミのほか、硬い組織構造を保つ独自の添加物を加え、加工が困難なSUS630材の加工でも被削材の溶着と刃欠けの進行を抑える。
 SUS630材は蒸気タービンのタービンブレードや大型インペラーで使用が増えている。高温高圧下での信頼性や耐熱性が求められる材料だが、被削性が悪く、工具寿命、加工能率で課題があった。

Voice
三菱日立ツール 社長 増田 照彦氏

 機械部品賞受賞の栄誉を賜り誠に光栄に存じます。コーティング皮膜と難削材加工に特化した刃型形状を融合させることにより、耐熱合金加工などの課題に対し、三菱日立ツールならではの、とんがった心を込めたご提案の一つです。
 これにより「難削材ってなに?」とばかりに、淡々と長寿命で高能率なストレスのない加工が可能になりました。受賞を励みに、お客さまとともにワクワクする商品のご提供に一層まい進し、日本のモノづくりに貢献して参ります。削れなければ工具じゃない。楽しくなければ人生じゃない。

汎用正面フライス用切削工具WSX445

三菱マテリアル

製品概要

 三菱マテリアルは、従来にはない切削性能を備えたネガ(両面)インサートタイプの汎用正面フライス用切削工具「WSX445」を開発した。これまで難しいとされていた、インサート厚み方向に大きな高低差を持った「両面Z形状」により、ポジ(片面)インサートの切れ味の良さと、ネガインサートのコーナー数の多さを実現した。
 切削抵抗値では、とりわけ背分力において低い値を達成した。切りくずは、つる巻状に生成され、カッタ外側に排出される。これにより、切りくずのかみ込みやカッタボディへの擦過防止効果が得られる。飛散防止機能と共に、円すい型をした着座は、インサートの着座面積を確保しながら、万一の欠損時でも着座損傷やボディーへの擦過損傷を抑える。

 ポジインサート並みの低い切削抵抗であるため、消費電力の削減も期待できる。従来のポジ、ネガインサートの特徴を融合した新発想の製品として、利便性と高効率を訴求していく。

Voice
三菱マテリアル 常務執行役員 加工事業カンパニープレジデント
鶴巻 二三男氏

 このたびは栄誉ある機械部品賞を賜り誠にありがとうございます。弊社は「人と社会と地球のために」貢献するという企業理念の下、モノづくりに携わるお客さま一人一人に合わせたベストなソリューションとサービスを提供する“総合工具工房”となり、いつも身近にいる感覚を抱いていただけるようになりたいと考えております。受賞した製品もお客さまからの声を多数いただき、それらを弊社独自の技術で具現化しました。その性能とコストパフォーマンスの良さでご好評をいただいております。今後も皆さまにワクワクをお届けできるよう努力を重ねてまいります。

超小形3ポート弁 プチバルブ

コガネイ

製品概要

 コガネイが開発した超小形3ポート電磁弁「プチバルブ」は、バルブ幅が従来品比約2分の1の5.9mm、重量は同約3分の1の4.5gで、空気圧用電磁弁としては世界最小クラスを実現した。設計見直しや小型部品の採用により、世界最小クラスの小型化を可能にした。
 設置面積は同社電磁弁のマニホールド(樹脂分割型)8連で比較すると、約50%減の省スペース化を達成。底面配管(縦置き)に設置する場合では、約80%減の省スペース化となる。
 装置内でバルブが占有する面積を大幅に削減できるため、半導体や電子部品、医療機器・装置の設計自由度を高めることに貢献。各種製造装置の小型化ニーズに対応する。

 配管方向に合わせて、マニホールドの取り付けは2面取り付けに対応。コネクタータイプとピン接続タイプの2種類の配線仕様を用意。連結金具で連結でき、ネジを使わずにバルブ増減連ができる。

Voice
コガネイ 社長 舩山 隆壽氏

 このたびは、栄誉ある「超モノづくり部品大賞」機械部品賞を頂き、大変光栄に思っております。
 受賞した超小形3ポート弁 プチバルブは、従来製品に対して体積比68%減、重量比70%減と、かつてない小型軽量化を実現した製品です。顧客装置の小型軽量化に貢献できる画期的な製品になりました。しかし、製品化への道のりは決して平たんではなく、開発陣の総力を結集して、ようやく発売することができました。

 今後も一層、顧客の要望に応えることができる製品開発を進めていきます。

微細加工用PCD工具

ソディック エフ・ティ

製品概要

 10nm以下の微細加工に向いたPCD(多結晶ダイヤモンド)工具。PCD素材を使い、ここまでの微細領域を対象にした工具は国内外で珍しい。発光ダイオード(LED)や医療用のバイオチップ向けの金型などの加工を想定している。
 超硬素材のPCDは従来の工具研磨装置では加工が困難なため、ワイヤカット放電加工機を活用した。放電火花のパワーやサーボモーターの速度などの最適条件を割り出し、同時に工具刃先の形状に関する加工ノウハウを蓄積したことで、製造できるようになった。工具の刃数や形状、ねじれ角などのユーザーの多様な要求への対応度も増した。
 超硬工具や立方晶窒化ホウ素(CBN)工具などに比べ、耐摩耗性を飛躍的に高めた。工具交換せずに長時間の連続無人加工が実現する。さらに、金型加工で必要な仕上げ磨きが不要になるため、同工程の生産性を飛躍的に高める。

Voice
ソディック エフ・ティ 社長 古川 利彦氏

 機械部品賞を賜りまして誠にありがとうございます。「微細加工用PCD工具ナノカッターシリーズ」は、ソディックグループで2001年より取り組んでまいりました、ナノ加工の技術の結晶の一つになるのではないかと思います。超硬、セラミックスはもとより、一般鋼材も加工した実績とノウハウの積み上げから生まれた工具です。これからも難切削材料の加工やより高精度な加工に進んで取り組み、より一層良い製品を生み出していき、日本のモノづくりの未来技術を創造する企業として、努力してまいりたいと思います。