2021年受賞部品

健康福祉・バイオ・医療機器部品賞

透明体検査装置 IS-UVCL01

CKD株式会社

欠陥検査、自動・インライン化

 「IS-UVCL01」は、医薬品や食品の包装材などの検査装置。検査工程の自動化をテーマに開発した。
 フィルムなどの透明体の穴開きや肉厚などの欠陥をインラインで検出可能。透明フィルムの検査では、フィルム幅が550ミリメートル、フィルムの送り速度が最大瞬間毎分120メートル、平均同48メートル以下の場合で、直径1.5ミリメートル以上の欠陥を検知できる。
 包装フィルムなどの透明体は、可視光の透過率が高いため、欠陥の自動検査ができず目視検査に頼っていた。特殊光源により透明体での透過率が低い波長の光を照射し、欠陥の可視化を実現した。
 透明容器の穴開きや資材の厚みのバラつきに加え、ガラス瓶の割れや欠け、透明液体の漏れなども検査できる。カメラ、照明、処理装置の最小構成で提供し、工程や用途に合わせてカスタマイズの要望にも対応する。

Voice
CKD 代表取締役 社長執行役員 奥岡 克仁 氏

 このたびは、「健康福祉・バイオ・医療機器部品賞」という素晴らしい賞をいただき、大変光栄に存じます。
 「透明体検査装置IS-UVCL01」は、“見えなくても、見逃さない”をキーワードに、当社の検査、画像処理技術でお客さまの潜在的な困りごとを解決し、品質向上、省人化、効率化に貢献することを目的に開発しました。
 今回の受賞を励みとし、今後も豊かな社会づくりに貢献できるモノづくりに取り組んでまいります。

PCR検査前工程自動化装置 つばき Labo-ALIS Type-M

株式会社椿本チエイン

感染リスク・人為ミスを低減

 新型コロナウイルスのPCR検査で人手による前処理工程を自動化する装置。採取した検体をPCR検査機にかける前の処理で使用する。検査担当者への感染リスクや人為ミスの低減、検査処理能力の向上につながる。1時間当たり205検体を前処理できる。
 唾液の入った検体を装置にセットし、検体IDをバーコードリーダーで自動で読み取り、管理する。装置内のロボット機構を駆使し容器のキャップ開閉や、検体を吸引して別の容器に吐出する分注工程を自動化する。高粘度の検体でも分注動作の工夫で効率よく吸い上げ、糸引きによる他の検体への混入防止機能も実装した。検体を確実に前処理できたかの合否判定は、ソフトウエア技術で行う。
 自動化度合いなどで4タイプを用意し、7台を納入した。全遺伝情報(ゲノム)解析や再生医療の研究効率化用途でも提案する。

Voice
椿本チエイン 上席執行役員(マテハン事業統括) 岡本 雅文 氏

 当社は1917年の創業以来、部品から搬送システムまで幅広い分野で世界中の「動く」を支え続けてきました。受賞製品は、新型コロナウイルス感染症の不安が渦巻く中、「私たちの技術を生かし人々の力になりたい」との思いで開発しました。
 PCR検査過程で最も感染リスクの高い、検査前処理工程での複数容器同時開閉栓・同時分注や検体ID管理の機能を備え、検査員の感染リスク抑制と検査処理量拡大を実現しました。
 今後もライフサイエンス分野で培った技術を生かし、安心・安全な生活基盤の構築など、社会課題解決に貢献していきます。