モビリティー関連部品賞
次世代自動車部材用の超耐久刻印システム:YN-1
山田マシンツール
次世代車部材に超耐久刻印
山田マシンツールの「次世代自動車部材用の超耐久刻印システム:YN-1」は、1.5ギガパスカル(ギガは10億)級の超高張力鋼板(超ハイテン鋼)に対応する刻印システム(特許出願中)。
国内で製造する自動車は、車体番号を刻印する法令が定められているが、次世代自動車用に計画される超ハイテン鋼は刻印が欠損しやすい課題がある。
YN-1は、特殊な処理を施したハイス(高速度鋼)を採用した。新開発の表面加工法とあわせ、欠損につながるツールマーク(加工痕)を抑制。本システムによる打刻は従来品と比べて10倍の耐久性を有しており、耐久打刻回数も約29万回を実現した。
IoT技術により、打刻工程および打刻文字品質の管理が可能。刻印情報をデータベース化し、文字のトレーサビリティーも構築。車体番号の真贋(しんがん)性の保証にも貢献する。
Voice
山田マシンツール 代表取締役社長 山田 雅英 氏
この度は、モノづくり部品大賞における「モビリティー関連部品賞」の栄に浴し、誠に光栄に存じます。
本受賞は、次世代のモビリティーに関する課題を弊社にくださり、また惜しみなく研究開発のための新素材をご提供くださったお客さま、ご指導くださったアカデミーの先生方、サポートしてくださった行政機関、その課題解決のために知恵を縛り、汗をかいた社員達のおかげで成り立ったものです。
本システムにより、今後現れる新素材に対応し、また生産現場の自動化、強いてはDX化に貢献するべく、今回の受賞を励みにさらに精進してまいります。
モビリティー関連部品賞
電気自動車(EV)用180kWプラグイン急速充電器
ダイヘン
EV2台、90kWで同時充電
ダイヘンの「電気自動車(EV)向け180kWプラグイン急速充電器」は、EV2台を最大90キロワットで同時充電できる。主流の20キロ~30キロワット製品に比べ、充電時間は約3分の1に短縮。脱炭素化を目指す企業や自治体を中心にEVの導入が増えており、同充電器はバスやトラックなど大型EVの急速充電にも対応を図った。
EVが普及してくると、充電待ちで発生する渋滞や、電力集中による電力ピークの発生などが課題となる。
独自の自律分散型制御技術を充電器に搭載し、電力ピークも抑制できる。また、顧客の既設充電システムや、太陽光発電など再生可能エネルギー関連機器との連携も容易にした。
プラグを2本追加すれば、1台の充電器で最大4台のEV接続が可能。最初2台の充電完了後に残り2台に自動で切り替えられ、効率充電を実現する。
Voice
ダイヘン 充電システム事業部長 鶴田 義範 氏
このたびは、当社の「電気自動車(EV)用180kWプラグイン急速充電器」に対し、「モビリティー関連部品賞」を賜り、誠にありがとうございます。
本製品は、クラス最小設置面積で最大180キロワットの大電力をEV2台に同時充電でき、プラグを2本追加することで最大4台の連続充電も可能です。また、当社独自の自律分散協調制御技術「シナジーリンク」搭載により、使用環境に応じた最適なエネルギーマネジメントも実現します。
今回の受賞を励みに、お客さまの課題解決に役立ち、今後のEV普及拡大に貢献する製品の開発強化に取り組んでまいります。
モビリティー関連部品賞
MA-Guardian
マクセル
斜めからの電波も吸収
マクセルは、自動車の整備場や板金工場で使える電波吸収パネルや電波吸収シート「MA-Guardian」を展開。正面のほか、斜め方向からの電波も吸収できる。パネルは折り畳める上、シートは切断でき、使い勝手を向上させた。
自動車のミリ波レーダーを校正する作業「エーミング」時に、周囲の金属の影響を受けて正確な校正ができない課題を解決する。柱やヘッドライトテスターなど、エーミング作業場にある金属製品に覆いかぶせて使う。
約6年前から電波吸収体の開発を開始。ミリ波帯の需要が高まると予測し、ミリ波帯に対応する製品を中心に手がけてきた。磁気テープ製造で培った技術を生かし、磁性体を用いた電波吸収体を開発。同社は「技術的な難易度は高かった」(機能性材料イノベーション部 第1製品課の広井俊雄主任技師)と振り返る。
Voice
マクセル 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 部長 渡辺 利幸 氏
「MA-Guardian」が評価されたことを、大変光栄に思っております。
電波吸収体「MA-Guardian」は、磁気テープで培った微粒子設計技術、均一に混練・分散させる製造技術と、グループ会社のマクセルクレハ(大阪市中央区)のゴムシート製造技術とのシナジーにより実現したもので、良好な電波吸収性能および利便性の高い電波吸収体製品を開発することができました。
車載レーダー以外にも拡大が期待されるミリ波帯域の電波に活用することも可能であり、今後とも展開を進めていく予定です。