2008年受賞部品

環境関連部品賞

燃料電池自動車高圧水素充てん機用制御弁・遮断弁

フジキン(大阪市西区)

製品概要

2倍超の840気圧5年間メンテフリー
燃料電池自動車用の水素充てん機に組み込む高圧タイプの制御弁・遮断弁。燃料電池車の走行距離を伸ばすには水素の充てん圧力を高くする必要があり、従来比2倍以上の840気圧対応を実現した。高圧に耐えるため、特殊パッキンと特殊配合したゴム製Oリングの2重シール構造を採用。弁の開閉耐久回数は15万回で、水素スタンド使用で約5年間メンテナンスフリーを可能にする。水素充てん機は国の委託開発事業として日立製作所とトキコテクノの3社で実用化に取り組んだ。

Voice
フジキン社長 小川 洋史氏

普及促進に大きな誇り
今回のバルブは15万回の開閉耐久性能をNEDOの委託開発事業として検証しました。気体中で最も分子量が小さくて最もシールが困難な水素ガスを、840気圧という高圧水素充填機への実用化が可能な、今までのバルブ産業界にはなかった性能を持つ、高機能な制御弁・遮断弁を開発できました。
水素燃料電池自動車は2015年が普及初期、2020‐30年が本格商用化の時期とされます。今回の制御弁・遮断弁の開発を通じて、フジキンの「ながれ制御技術」が、環境問題に対する一つの解決策へとつながる燃料電池自動車の普及促進に役立てられることに、大きな誇りを感じています。

ナフサ原料の削減とCO2排出量削減に貢献する「紙製DVD/CDディスクホルダ」

環境経営総合研究所(東京都渋谷区)

製品概要

重量の51%超が紙 優れた耐水性と剛性
環境経営総合研究所の「紙製DVD/CDディスクホルダ」は、微粉砕した産業廃棄古紙と樹脂を混練・成形して作られる。重量の51%以上は紙だが、耐水性と剛性に優れ、紙の特徴である高い弾性も備えている。廃棄物を主原料とするため原材料費が極めて低く、焼却処理時の二酸化炭素(CO2)排出量も少ない。ナフサを原料とするプラスチック製ディスクホルダの代替品として、メーカーから注目されており、用途の拡大が期待される。

空調用エコダクト「コルエアダクト」

大成建設、レンゴー、栗本鐵工所

製品概要

生産時CO2排出量4分の1に削減
大成建設、レンゴー、栗本鐵工所が共同開発した「コルエアダクト」は、段ボールとアルミニウム箔に組み合わせて製作した空調用ダクト。従来の亜鉛メッキ鋼板と断熱材で構成していた空調用ダクトに比べ、生産時の二酸化炭素排出量を約4分の1に削減した。廃棄時には段ボールとアルミ箔を分離して、それぞれをリサイクルすることも可能な環境にやさしい部品だ。重量が従来の約5分の1と大幅に軽くなったため、作業者の負担が抑えられ、施工性も高まった。

Voice
大成建設 河村壮一常務執行役員

CO2削減に対応
従来品より二酸化炭素(CO2)排出量を4分の1にできる「コルエアダクト」の環境性能を評価いただきうれしく思います。こういう技術が広がれば、CO2排出削減という国家的課題に対応できます。

汚泥減容システム「ゼクルス」

クラレアクア(東京都中央区)

製品概要

微生物の増殖抑え省スペース化可能に
クラレアクアの汚泥減容システム「ゼクルス」は、自社開発の高効率バイオリアクター「クラゲール」と汚泥減容槽を組み合わせることで、微生物の増殖を抑え汚泥を減容する。微生物の自己消化を利用するため、可溶化しにくい微生物の微細な殻などが沈殿槽に影響を及ぼすことはない。またクラゲール槽に汚泥や可溶化した汚泥を戻さないため、生物処理槽に負担がかからず、省スペース化できる。さらに固液分離に中空糸膜を使用すれば、処理水を中水に再利用することも可能。