ものづくり日本会議

2008年受賞部品

生活関連部品賞

紙糸OJO+及び紙糸OJO+の印刷糸

王子ファイバー(東京都中央区)

製品概要

多様なカラーの紙糸 多岐の分野で利用
王子ファイバーが開発した紙糸「OJO+」は、細かく裁断したテープ状の紙を撚って製造する。紙の原料はマニラ麻などの天然植物繊維を使用し、製造や製品廃棄時の環境負荷が低い。麻糸などに比べ軽くてハリやコシがあるのが特徴で、吸湿・通気性にも優れる。同社は紙糸の製造技術に天然染色加工技術を組み合わせ、印刷糸も開発した。
多様なカラーバリエーションを持つ紙糸は衣料やインテリアをはじめ多岐にわたる分野で利用できる。

Voice
王子ファイバー 白石弘之社長

幅広い普及目指す
やっと認められたという思いでいっぱいだ。紙糸「OJO+」と印刷紙は実用化に3年以上かかり、完成までは試行錯誤の連続だった。高価な製造装置を使えばできることも多かったが、それでは製品価格も高くなる。いかに既存の装置を使って製造技術や品質を高めるかに苦心した。糸を紙でつくること自体は決して新しいものではないが、環境対策が大きな問題になる中でマニラ麻を使った紙糸は必ず見直されると思った。これからアパレル・ファッション業界はもとより、インテリアや生活雑貨、寝装寝具など幅広い市場に普及させていく。生活関連部品賞をいただいたことは励みになる。

ハイブリッドエコロジーシステム

TOTO

製品概要

水圧の低い場所にもタンクレストイレ設置
TOTOが開発した「ハイブリッドエコロジーシステム」は、戸建ての2階や高台の住居など水圧が低い場所にも、人気の高いタンクレストイレを設置可能とした。便器本体に貯水タンクと小型の高出力ポンプを内蔵しており、タンク内の水を加圧して送り出し、水道からの水と一緒に洗浄する。ポンプの力を利用するため、水圧に依存せずに洗い流せる。
大洗浄に使用する水は5.5リットルで済み、従来のタンク式トイレと比較すると約65%の節水効果がある。

Voice
TOTOレストルーム商品本部本部長 野上薫氏

水まわり文化向上
TOTOはエコロジー、ユニバーサルデザイン、グローバルの三つを大きな柱に据えて、商品開発を進めている。今回のハイブリッドエコロジーシステムは、トイレの節水に貢献する。社会全体で環境への関心が高まっている中、水を効率よく利用しエコロジーにつながる点が高く評価されたことを、大変光栄に思っている。また、人気のタンクレストイレが場所を選ばずに設置できるようになり、購入者に喜ばれている。販売数は、計画通り順調に伸びている。今後も環境配慮商品だけでなく、水まわり生活文化全体の向上に努めていく。

アルミ防火シャッタードア SST-B20

フジタ、エファフレックスジャパン

製品概要

アルミ製品に初の防火性 設計・施工を省力化
フジタとエファフレックスジャパン(東京都新宿区)が共同開発した「アルミ防火シャッタードアSST-B20」は、アルミニウム製として初めて防火性能を持たせた巻き上げ式高速開閉シャッター。これにより、工場や倉庫などの防火区画の開閉部にアルミ製高速開閉シャッターと鋼製の防火シャッターを二重に設置する必要をなくした。建物の設計・施工の省力化、安全点検などの維持管理費用の削減、二重設置で生じるデッドスペースの解消を実現した。

Voice
フジタ エンジニアリング開発部主席研究員 高橋一郎氏

高い耐火性能追求
開発のポイントは溶融がしやすく変形量が多いアルミの特性をいかに抑えるかだった。当初はアルミに耐火ボードを組み合わせるハイブリッド構造にしようと考えたが、試験を繰り返してもうまくいかなかった。蓄熱されるため、かえってアルミの変形量が増した。しかしこれにより、熱に対抗するのではなく熱を逃がすことで変形量を減らそうという逆の考えが生まれた。火が加わる面のパネルと、その裏側の非加熱面のパネルの2層構造とし、加熱面から非加熱面に熱を伝える間に補強リブを設け、パネルの溶融時間を遅らせることに成功した。今後もグレードの高い耐火性能を追求したい。

高級包丁用の高機能多積層クラッドメタル材料

武生特殊鋼材(福井県越前市)

製品概要

打ち刃物材の技術で高い切れ味・強度実現
武生特殊鋼材は伝統的な打ち刃物材料の製造技術を生かし、プロ・高級家庭包丁用に高機能の刀身材料を開発した。 刃物のコア材に独自の粉末ステンレス鋼を含む刃物専用ステンレス鋼を採用。この両面をニッケルとステンレス材を交互に組み合わせた多積層クラッド材で挟み、高い切れ味と強度、耐久性、靭性などを備えた材料にした。表面加工により刃紋ができ、意匠性も高い。高価なコア材を多積層材が補う構造のため、経済性にも優れる。