ものづくり日本会議

2011年受賞部品

電気・電子部品賞

パルストランスALT4532 シリーズ

TDK

製品概要

デジタル家電や情報機器において、高速LANの差動伝送方式のパルス信号を伝送するための部品。従来製品は手作業を中心に生産していたが、コアの形状をドーナツ状からドラム状に変えることで、同等性能を維持しながら自動生産を実現、品質向上と供給の安定化を図った。自動巻線でのパルストランスは世界初という。
これまでは中国で手作業で生産していたが、同国では賃上げの動きが活発化。また、手作業での生産では品質にバラつきがあるため、自動化の要求が高まっていた。
モジュール化して使用する場合、新製品は他の表面実装部品と同時にハンダ付けができるため、搭載時に手作業の配線や樹脂による固定が必要だった従来品の手間を省ける。

Voice
TDK 常務執行役員 植村 博之氏

当社は、フェライトに代表される蓄積した素材技術と、多くの電子部品の製造で培った高度な巻線技術により、新しい構造の「パルストランスALT4532シリーズ」を開発しました。本製品は、フェライトの材料組成や微細構造を見直し、従来品と同等の高い特性を自動巻線工法によって達成することができました。
また、自動巻線工法により、作業環境のさらなる改善と生産性の向上も図ることができました。当社が得意とする材料技術と蓄積された巻線構造のノウハウを駆使し、熱意を持って製品開発を進めたことがこの製品を生むことにつながったと考えています。
このたびの受賞を励みとして、今後も引き続き技術開発、製品開発を進め、お客さまにご満足いただける製品を提供してまいりたく存じます。

不揮発性磁器メモリーパッケージ用シールドメタル

大日本印刷
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製品概要

大日本印刷は、次世代メモリーである「MRAM」パッケージの組み込み型シールド版を開発した。半導体チップを磁器から保護するため、半導体チップに直接貼り付ける新方式を考案し、容積比で30%、実装基盤面積比で60%省スペース化を実現した。
素材には、透磁率に優れていることやエッチングの加工性、半導体パッケージに組み込む点などに優れている「パーマロイPC材」を採用し、加工性や耐食性の向上につなげた。独自の熱処理温度により、シールド性能を持たせながら、低コストでの提供を可能にした。 従来はパッケージを外装シールド材料で保護する形になっており、使用量がかかってしまうことが課題だった。新方式はシールド材料を10分の1で済むなど、材料費の抑制につなげた。
鉛フリーや欧州特定有害物質規制(RoHS)指令に対応するなど、環境にも配慮した。また、シールドメタルの組み込みパッケージ(BGA、QFP、SOP)における各種信頼性評価試験にも合格した。

Voice
大日本印刷 役員 電子デバイス事業部 事業部長
土屋 純一氏

このたびは大変栄誉ある賞を賜り、誠にありがとうございました。
不揮発性磁気メモリー(MRAM)は、高速で書き換え耐性に優れる次世代メモリーとして、実用化への期待が高まっています。本製品は、MRAMのデータを外部磁気の影響から保護するシールドメタルのパッケージ内への組み込みを、当社独自の微細加工技術と材料を最適化して実現しました。省スペース化、省資源化に貢献するものと自負しています。多様なパッケージに対応することで幅広い機器への搭載が可能なほか、従来の組み立て装置を利用できるため大規模な設備投資を行うことなく導入できるメリットもあります。今後もマーケットのニーズに応えた独創的な新製品の開発を推進していきます。

インテリジェント型電力変換・調整素子内蔵「Sodick LED灯 SL-1200 」

ソディックLED(横浜市都筑区)

製品概要

ソディックLEDの40形蛍光灯代替LED灯「SL-1200」は、自社開発のLED点灯用電源の高効率な駆動により、従来の40形蛍光灯と同等の明るさで消費電力を半減した。既設の蛍光灯器具の電圧に対応する点灯制御ができるため改造工事が不要で、器具に工事なしで簡単に取り換えができる。消費電力は22Wで、1Wあたりの直下照度が蛍光灯と比べて約2.7倍。「SL-1200」2本で蛍光灯3本と同等の明るさを実現できるため、ランニングコストを約60%削減でき経済性が高いのが特長だ。
寿命は4万時間と長寿命で、一般のオフィスから工場、高所などメンテナンスの難しい所まで幅広い使用環境に適する。商用電源80-240Vに対応。電源回路の小型化やヒートシンク(放熱器)の内蔵などでコンパクトで軽量化している。
グループの放電加工機の電気制御技術を生かして専用電源を開発。また照明の口金は自社の射出成形機で内製化するなどコスト削減も図った。社会的に節電意識が高まる中、オフィスや工場の環境負荷軽減に貢献する。

Voice
ソディックLED 代表取締役社長 古川 利彦氏

今回の受賞ありがとうございます。3月11日の東日本大震災、福島第一原子力発電所事故で節電が要求される時代になりました。当社で何かできることはないかと考えた時にLED照明がありました。
3月末に新組織を立ち上げて当社の技術で開発したLED灯を製品化し、7月に発売しました。従来の蛍光灯をそのまま取り換えられる特徴を認めて頂き、発売から3カ月で10万本の受注を頂きました。受賞を機に一層効率の良い製品開発に力を注ぎます。
LED灯で社会貢献をするとともに、被災地に節電型LED灯1万本、なでしこの種を贈ります。元気と明るさを取り戻してほしいと願っております。