健康・医療機器分野
トレミキシンPMX-01 R
東レ
製品概要
東レの「トレミキシンPMX-01R」は、敗血症の原因となる血液中のエンドトキシンを体外循環によって取り除く吸着型血液浄化器。今回開発したPMX-01Rは、体外循環する血液流量を少なくすることで、子どものような体の小さな患者が従来より少ない負担で治療を受けられるようにした。
ポリスチレン繊維に抗生物質のポリミキシンBを固定化し、容器(カラム)に充填する。内部を通過する血液への圧力損失や滞留時間の変化による血液凝固などに留意し、循環する血液の流速とカラムの性能を最適化することで、このカラムを従来品より小型化した。内容量が8ミリリットルと少なく、これまでトレミキシンの治療を断念することもあった小児や未熟児にも適用できる可能性を広げた。体内に戻される血液量あたりのエンドトキシン除去性能は、従来品と同等レベルを有する。
2011年6月に最初の症例の報告があり、良好な効果が見られたという。敗血症は感染した細菌の毒性成分(エンドトキシン)を主因とした疾患で、致死性が高い。今後、小児や未熟児の生存率向上に期待がかかる。
Voice
東レ 専務取締役 医薬・医療事業本部長 丸山 和博氏
このたびは、「健康・医療機器部品賞」受賞の栄誉にあずかり、心よりお礼申し上げます。
私どもの「トレミキシン」は、1994年に発売した世界で唯一の敗血症治療用血液浄化器です。このたび受賞した「トレミキシンPMX-01R」は、医療現場からの強いご要望に応えて、血液量の少ない小さな患者様にも、従来より少ない負担で治療を受けられるタイプとして開発しました。この「トレミキシンPMX-01R」で1人でも多くの小児・未熟児の命を救えることを期待しています。このたびの受賞を励みとして、技術開発につとめ、新しい製品を開発し社会に貢献してまいりたいと思います。