ものづくり日本会議

2011年受賞部品

生活関連部品賞

隠し丁番(アーチ ステルス丁番)

ニシムラ(大阪府八尾市)

製品概要

ニシムラは、ドア用丁番で国内6割以上のシェアを持つトップメーカー。扉を閉めると回転軸などの部品が全く見えなくなる「隠し丁番」を開発した。ドアがすっきりと見え、部屋全体に美しい印象を生むのが特徴だ。
既存の隠し丁番は、末端価格で3万円程度と高価だ。鋳物やダイカストで製造するため部品内部に「巣」と呼ばれる空洞が発生する可能性があり、信頼性にも課題があった。同社はすべての金属部品をプレス加工で製造し、末端価格は他社の半額以下を実現。量産性の向上や小型軽量化にも成功した。荷重40kgの状態で20万回開閉という日本工業規格(JIS)の2倍の基準でテストし、耐久性も実証した。 国内の住宅建築現場のニーズを踏まえ、作業者1人でも取り付け、調整ができるよう施工性を追求。扉とドア枠の隙間を5mmと従来より狭くして、子どもが指を挟む危険を減らした。
一般の建築物内の扉に使用できるため、ホテルの客室、オフィスの応接室のほか、マンションなどでも採用が進むと見られる。

Voice
ニシムラ 代表取締役社長 西村 公一氏

生活関連部門での受賞を拝し、光栄に存じます。当社は創業以来76年にわたり建築金物、特に丁番(蝶つがい)一筋に開発を続けております。受賞製品「隠し丁番(アーチ ステルス丁番)」は、これからの新しい丁番の形をいち早く製品化したもので、長年金属プレス加工技術の向上に努めた成果でもあります。扉を閉めた状態で外部から丁番が見えないため、壁面にとけ込んだシンプルでモダンなインテリアを実現するほか、子どもの扉への指つめ防止という安全性も向上します。この受賞により、丁番のトップシェア企業として、さらなる生活環境の改善に役立つ開発を続けてまいります。

伝統木造建築用超塑性亜鉛アルミ合金制震ダンパー

竹中工務店

製品概要

竹中工務店が開発した「伝統木造建築用超塑性亜鉛アルミ合金制震ダンパー」は、地震力をしなやかに受け流して文化的価値のある伝統木造建築物を守る。「超」塑性という言葉からも連想されるように、使用する亜鉛アルミ合金は、室温でも飴のように伸びる金属材料。金属組織を分子レベルで微細に制御することで実現した。常温で超塑性を発現し、学術的にも価値のある合金といえる。
延性は免震材料として使われている鉛や制震材料の低降伏点鋼と比べると、実に5-10倍もある。取り付け位置は、外観からは分からない柱と梁の仕口(交差)部。軟らかい木造架構の特性に合わせた円弧状で、超塑性のため大地震を経てもほとんど性能が劣化しないメンテナンスフリー。地震力は主に熱エネルギーとして吸収され、柱や梁の損傷を回避する。
ダンパーにより地震時の揺れを20%程度低減。東京・目白の庭園「椿山荘」にある三重塔の改修・耐震補強をはじめ寺社仏閣建築で3件の施工実績があり、東日本大震災でも威力を発揮した。

Voice
竹中工務店 技術研究所 副所長 山下 清氏

このたび「2011年”超”モノづくり部品大賞」生活関連部品賞を受賞できたことを大変光栄に思います。 「伝統木造建築用超塑性亜鉛アルミ合金制震ダンパー」は、貴重な文化財である伝統木造建築物の耐震性を向上させ、地震被害から末長く守り続けたいという思いから開発したものです。文化財を守り続けることに少しでも貢献できれば幸いです。
私たちは、現在そして次世代にわたって安全で安心して暮らせる街、地球環境に配慮した優しく快適な建築空間づくりを目指して研究開発を進めています。
受賞を励みに今後もより一層安心・安全な技術を開発し、社会に提供していきます。