ものづくり日本会議

2014年受賞部品

生活関連部品賞

小型高効率コーヒーミル

富士電機

製品概要

 コーヒー豆を粉砕して抽出工程に送る装置で、コーヒーサーバーなどに搭載される。コーヒーは今や専門ショップだけでなく、コンビニエンスストアやファストフード店も提供する。そこで限られた場所に設置できる大きさで、本格的な味を楽しめる装置のニーズが高まっている。
小型・省スペース化しつつ短時間で豆を粉砕し、かつ風味を損なわない設計にした。
 従来機は横向きだった豆の投入経路を垂直にして搬送距離を従来の半分以下の45mmにするとともに、カッターの回転数を5分の1に抑えた。自重で豆を送れ、高速回転する刃で豆がはじかれるのを防げる。重さを約3分の1に、消費電力量を4分の1に減らせた。また低速回転のため熱が発生せず、コーヒーの香りを保ち風味が向上する。
 低速回転でも総抽出時間が延びないよう、粉砕前に豆を粗びきする工程を入れた。豆の充填率を高めて回転数あたりの粉砕量を従来比2.7倍に向上。また静電気を取り除いて粉砕した豆の飛散を抑え、清掃時間を10分の1から20分の1に短縮するなど操作性を高めた。

Voice
富士電機 執行役員常務 食品流通事業本部長 朝日 秀彦 氏

 「小型高効率コーヒーミル」は、高品質なコーヒーをお客さまに提供するために、”手ひきの旨さ”と”自動びきの安定性”の両立を目指して開発しました。コーヒー豆の味を正しく飲料に再現するための研究の結果、高効率な多段粉砕構造により従来比4分の1という画期的な省エネとともに、豆のロスフレーバーを抑制するミルを実現できました。日本全国に香り高いコーヒーをお届けできたことを評価して頂いたものと考え、大変光栄に思っております。  この受賞を大きな励みとし、市場に”おいしさ”を届ける機材の開発により、今後もお客さまに喜んでいただけるモノづくりを進めてまいります。

シートシャッター用防虫設備「バグシールド」

竹中工務店/日本エアーテック

製品概要

 竹中工務店と日本エアーテックが共同開発したシートシャッター用防虫設備「バグシールド」は薬剤を一切使わず、食品・医薬品などの工場や倉庫で害虫が侵入するのを防ぐ。搬出入口のシートシャッターと一体化し、開閉時に誘虫用蛍光灯で集めた飛来虫(ハエ、ユスリカなど)をファンで吸い捕るとともに、シート下部で屋内側から屋外側に向けて強く排気して侵入しようとする歩行虫(アリ、ダンゴムシなど)を吹き飛ばす。
 実証実験では飛来虫に対し、誘虫灯併用の一般的な粘着テープ式補虫器に比べ約10倍の補虫効果を発揮した。また、シャッター屋外側に代表的な歩行虫であるクロヤマアリとオカダンゴムシを放し、シャッター下端に高さ1cmの異物を挟んだ場合でも侵入を完全に阻止できた。
 ファンによる飛来虫の吸引は十分な検証を重ね、吸い込み面で捕獲効率が落ちない最低限の風速毎秒1mに設定し、その空気を捨てずに歩行虫の侵入阻止に有効活用する省エネルギー設計。薬剤を使わないため人体の健康リスクもなく、環境負荷の小さい防虫を実現する。

Voice
竹中工務店 技術研究所 エコエンジニアリング部 主任研究員 
宮田 弘樹 氏

 当社と日本エアーテックが共同開発したシートシャッター用防虫設備「バグシールド」の受賞に際し、日頃からご指導ご鞭撻いただいている顧客企業をはじめとする関係者の皆様方に心から感謝します。
 動作のキーワードは「光と風」。薬剤を用いず、光と風の力だけで”二大害虫”といわれる飛来侵入昆虫と歩行侵入昆虫の両方に対応し、防虫性能と人・環境への安全・安心を両立させた画期的な防虫設備だと自負しています。
 防虫対策がカギを握る食品・医薬品施設のほか、文化財の展示収蔵環境の最適化に努める美術館・博物館などへの適用も期待されます。受賞を励みに、より一層、社会に役立つモノづくりにまい進したいと思います。

樽生ビールのビールディスペンサーのカランに装着する部品

サッポロビール

製品概要

 サッポロビールが開発した「樽生ビールのビールディスペンサーのカランに装着する部品」は、飲食店で提供される樽生ビールの泡品質を向上させることが狙い。樽生ビールから注がれる泡は客から見て「おいしそうだな」という飲用前の見た目の良さに加え、飲用時の口当たりの良さ、ビールの炭酸ガス抜け防止にも寄与するもので、樽生ビールのおいしさに重要な役割を果たしている。泡がきめ細かくなるほど飲んだときの口当たりが向上し、消えにくい泡になるほど見た目の良さが長く持続され、炭酸ガス抜け防止の時間も長くできる。中身は同じビールでも、付加価値が高まる。
 従来のビール泡の注ぎ出しでは、ビール泡を垂直方向に勢いよく落下させていた。これに対し、今回、開発した新部品では、泡を水平方向に注ぎ出せるようになった。その結果、ビールの泡がグラスの壁面に沿ってやさしく注ぎ出されるようになり、従来に比べきめ細かい泡が増えて飲用時の口当たりも良くなり、泡の消失もしにくくなった。

Voice
サッポロビール 商品・技術イノベーション 部長 中山 康行 氏

 このたびは「生活関連部品賞」を頂戴し、誠にありがとうございます。今回、開発した部品はサッポロビールが飲食店で展開する「パーフェクト樽生運動」内で、お客さまに完璧品質の樽生ビールを提供するものです。
 提供品質基準で「CREAMY」「CLEAR」「COLD」の”三つのC”にこだわりました。中でも「CREAMY」な泡実現では関係部署が一丸となって注ぎ出し方法に工夫を重ね、本装着部品を開発しました。その結果、細やかで「CREAMY」な泡をお客さまに実感していただくことができました。今後も酒類事業を通じて楽しさや喜びなどの価値を提供してまいります。