ものづくり日本会議

2016年受賞部品

自動車部品賞

自動車内装用高輝度原着メタリック樹脂加飾部品

河西工業

製品概要

 河西工業が受賞したのは塗装をせずに高輝度で光沢のあるメタリック調の自動車内装部品を製造する技術。透明度を高めた樹脂に大きさが異なるアルミニウム材を均一に混合した後、射出成形し完成させるものでドア内側のカバー部品向けに開発した。
 同技術を使えば塗装工程が不要になるため製造コストや工期を短縮できるほか、塗料に含まれる有機溶剤を使わずにすむため、環境負荷を大幅に低減できる。長期間の使用で塗装がはがれて下地が目立つ心配もない。
 従来は射出成形した部品の表面を塗装しメタリック調に仕上げるのが一般的だった。内装部品の製造ノウハウで射出成形の方法を見直し、樹脂にアルミ材を混ぜても外観不良がでないようにし工夫し、技術確立につなげた。

 最近では青や黄色といった多様な色にも対応できるようになった。コストや環境面でのメリットに加え意匠性も向上できる点を訴求し車メーカーへの採用拡大を目指す。

Voice
河西工業 専務執行役員 西川勉氏

 このたび、栄えある「自動車部品賞」を賜りましたこと誠に光栄に存じます。「自動車内装用高輝度原着メタリック樹脂加飾部品」は、従来の塗装樹脂成形品の大きな課題である塗装の剥がれ、揮発性有機化合物(VOC)の発生を払拭し、耐傷付き性の向上、VOCレスを廉価に達成することで環境対応とお客さまの満足とを両立させることができました。

 本受賞製品は、当社の強みである樹脂成形技術、金型技術、材料技術の総合開発力を発揮した成果と考えています。今回の受賞を励みに、今後も更にお客さまにご満足をいただける品質の高い製品をグローバルにご提供してまいります。

TMR角度センサ

TDK

製品概要

 TDKは、車載用として低温から高温までの広い温度範囲で角度精度に優れた車載用TMR角度センサーを開発した。TMR角度センサーは磁気式角度センサーに分類され、従来の磁気式センサーとは異なる磁性技術を応用し、トンネル磁気抵抗(TMR)効果を原理とする新しいタイプの磁気センサーである。
 同製品の特徴は、高い出力と精度に加え、経年変化が少なく、冗長性にも対応している。具体的には、-45度Cから+150度Cと広温度範囲で角度誤差±0.2度以下の精度を保つ。出力は、AMRセンサーの20倍、GMRセンサーの6倍の300mVに達する。

 今後は角度センサー以外に、位置センサー、電流センサーなど多様なアプリケーションに対応し、製品のラインアップを拡充する。また、TDKは、センサーと合わせ、顧客の要望にもとづく多様な用途開発からシミュレーションによるソリューション提供までセットで対応できる。

Voice
TDK 社長 石黒成直氏

 このたびは、自動車部品賞を賜り誠にありがとうございます。HDD磁気ヘッドで培ったTMR素子技術を生かし、車載対応TMR角度センサーとして実用化した本製品が受賞できたことを、開発・製造部門一同大変喜んでおります。
 現在、自動車の電動パワーステアリング(EPS)の採用をはじめ、車載用角度センサーとして多数採用実績があり、多くのお客さまから引き合いをいただいております。このたびの受賞を励みとして今後は、産業機器やICTなど幅広い分野にも製品開発を進め、お客さまや社会に貢献できるモノづくりを目指して参ります。

摩擦撹拌接合によるアルミテーラードブランクを用いた自動車用ボデー部品

太平洋工業/UACJ

製品概要

 太平洋工業はUACJと共同開発した摩擦攪拌で異なる板厚のアルミニウム材をつなぎ合わせるテーラードブランク工法を用いた自動車用ボディー部品を製品化した。フードを構成する補強部品で、板材を一体構造化した上でプレス成形する。  製品全域での結合となり、接合強度が高い。カシメによる部分的結合に比べ、接合強度と材料の歩留まり向上を図った。従来結合法と比べ、部品点数を削減。軽量化と20%のコスト低減を実現した。
 一般的な回転ツールを用いた摩擦攪拌では溶けたアルミが板材に飛び散りバリが発生するため、加工後にバリ処理が必要となる課題があった。同社は流体化した材料の挙動を解析することで、飛び散りを抑えるツールの先端形状を見いだした。

 これを基に開発した専用ツールにより、バリ発生を抑えつつ、加工速度を毎分2mと、一般ツールの2倍に向上。大幅な原価低減を達成した。同製品は2015年にトヨタ自動車が発売した「レクサスRX」に搭載されている。

Voice
太平洋工業 取締役専務執行役員 鈴木克也氏

 このたびは栄誉ある「自動車部品賞」を賜り、誠にありがとうございます。
自動車業界における部品の軽量化は非常に重要な課題です。それに伴い「アルミ」のニーズも近年さらに大きくなってきています。既存のFSWという接合技術を応用して、より「効率的」で「安価」な部品提供を目的に、UACJ様と共同で、アルミのテーラードブランク工法の開発をしてきた中で、このような賞をいただけ、非常にうれしく思うとともに、関係者の皆さまに感謝いたします。
この受賞を今後の新たな開発への励みとし、お客さまにより良い製品を提供できるよう努力してく所存です。