ものづくり日本会議

2016年受賞部品

生活関連部品賞

スクリーン用透明フィルム「KALEIDO SCREEN(カレイドスクリーン)」

JXエネルギー

製品概要

 JXエネルギーの透明フィルム「カレイドスクリーン」は、窓ガラスやアクリル板に貼ることで、これらをスクリーンとして利用できるようにするプロジェクター用のスクリーンフィルム。映像を鮮明に映し出す働きがありながら、ガラスなどの透明度を高く保てる点が大きな特徴だ。
 窓ガラスなどに映像を投映する際には、光を散乱させる性質がある透明フィルムを貼るのが一般的。だが、これによって光の透過率が下がり、ガラスの透明性が損なわれるという問題があった。
 同製品は独自の材料設計技術などで、およそ90%と世界最高水準の透明度を実現。投映した映像とガラスの向こう側の景色が、同時にはっきりと見えるようになった。投映した映像の鮮明度も、従来品を上回るという。

 東京タワー(東京都港区)やテーマパーク「横浜・八景島シーパラダイス」(横浜市金沢区)などで採用実績があり、カーナビゲーションシステムなどへの応用も期待できる。

Voice
JXエネルギー
常務執行役員機能化学品カンパニー・プレジデント 河西 隆英氏

 このたびは栄誉ある賞に選ばれ、大変ありがたく思います。本製品は貼るだけで窓ガラスをプロジェクター用スクリーンに変えることができ、世界最高の透明度を誇ります。従来品のスクリーン用フィルムは透明性に難点がありましたが、独自の技術で透明性とスクリーン性能の両立を実現しました。

主に商業施設の空間演出用に採用されています。今後、デジタルサイネージや自動車用ヘッドアップディスプレーなど多岐にわたる情報表示ツールとしての普及を期待しています。受賞を励みに、お客さまの便益に一層かなう優れた商品をいち早く市場に出せるように努めて参ります。

衛生陶器用素材「アクアセラミック」

LIXIL

製品概要

 LIXILが開発した衛生陶器「アクアセラミック」は、トイレが汚れる原因となる「汚物」「水アカ」「キズ」「細菌」という4要素すべてに対応することで清掃性を向上。「新品の時の白さ輝きが100年続く」トイレを実現したという。同社が独自の抗菌技術「キラミック」を使ったトイレを発売したのは1994年。それ以来20年あまりの歳月を費やし、汚れに強い衛生陶器を追求してきた。まさに同社の技術開発の集大成と言える。

 一般的に、汚物の付着を防ぐには陶器表面に親水性を持たせることが必要。逆に水アカの付着防止に必要なのは撥水性(はっすいせい)だ。同社は、陶器表面に塗布する釉薬(ゆうやく)に、防汚機能の役割を果たす特殊な物質を一体化させ、陶器表面に親水性を持たせながらも水酸基が露出しない構造とすることでトレードオフの関係にある二つの汚れ対策を両立させた。主力のトイレ「SATIS」での実用化を皮切りに便器、小便器、洗面化粧台などに展開している。

Voice
LIXIL トイレ・洗面事業部 衛陶開発部長 中村祥一氏

 「アクアセラミック」は衛生陶器に関する四つの汚れをしっかり解決している点に特徴があります。
 私が入社した30年前は汚物をしっかり流すのが技術開発の方向性でした。その後、環境に対する意識の高まりから節水性能も重視されるようになり、次は「掃除をラクに」ということになりました。調べれば調べるほどいろいろな汚れがあり、技術的な難易度は高かったですが、長年にわたる取り組みの集大成と言える製品ができました。

 こうした取り組みが評価されたのは非常にありがたく、セラミック一筋でやってきた私としてもうれしい限りです。

平面型静電モータ

川口電機製作所

製品概要

 川口電機製作所の「平面型静電モータ」は静電気の力を利用して絵柄の付いたフィルムを動かす。絵柄そのものが動くため、平面ディスプレー上に映像を映し出す電子看板(デジタルサイネージ)とは異なり、見る人への訴求力は大きい。
その仕組みは、光沢のある基板(固定子)上に、特殊加工により滑りやすく、また帯電しやすくした厚さ0.2mmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを搭載。位相を変えて高電圧を流した際に発生する静電気に引っ張られる格好でフィルムを動かす。
固定子の中には銀ナノインクで印刷した回路パターンを3層構造で形成。印刷時に回路以外に銀ナノインクが飛ばないように、プリンターの機構を自社で開発するなど製造技術にノウハウがある。
また静電モーターの電極に、曲線や図形の概念を取り入れることで直線移動だけでなく、回転や円弧、曲線など複雑な動きも可能となった。

Voice
川口電機製作所 社長 松本圭二氏

 平面型静電モータは、広告などの絵柄やポスターなど動かないものを動かすといった意味で、アナログ的なものを進化させました。ディスプレー上に映像を表示するデジタルサイネージと同じように、広告媒体としての効果に期待を寄せています。
 在京テレビ局などが主催した浮世絵展では、広告媒体として平面型静電モータを利用して「動く浮世絵」を演出しました。この時には新しさが評価されて、大手広告代理店から野外広告の優秀賞をいただくなど、基板業界のみならず、広告業界でも注目されています。

水圧駆動式強力補強正方形単動伸縮塔装置15mシリーズ

サンマックス

製品概要

 サンマックスのアルミニウム製水圧式昇降機「アクアリフト15mシリーズ」はアンテナやカメラなどリフト上部に取り付けて使用する伸縮型昇降機。国内で唯一、水圧で昇降させる方式で安全、環境にも対応しており防衛、スポーツ、防災関連での需要を見込んでいる。
 昇降機の高さは10-17.5m。上昇させる際は、標準付属品の水圧ポンプユニットのタンク内の水を電動ポンプで伸縮タワーに送る。下降時には本体から水がタンクに戻り、水の再利用もできる。
 昇降機の多くは油圧式、高圧ガス式、チェーン式などだが、水圧式なので油漏れの心配がない。添加剤の利用で凍ったり、管が錆びたりするなどのリスクがなく、安心して使用できる。

 また独自の構造特許でねじれに強く、強度もあり、防災用アンテナや夜間照明、原子力発電所の点検作業などにも利用できる。長さなどのカスタマイズも可能だ。

Voice
サンマックス 会長 東本正夫氏

 このたびは「“超”モノづくり部品大賞生活関連部品賞」を頂戴し誠に光栄に存じます。受賞製品は常に背景に掲げている「安全、環境、省エネ」の面から具体的に発想、創造した製品で「水圧式シリンダー」の可能性を最大限に高め、再利用可能な構造機構を持ち不燃廃棄物を出さない製品となっております。

 「ノンオイル、リサイクル、省エネ」の理念で地球環境問題に産業機械業界の通念を変革してモノづくりをしなければ全世界的な地球温暖化防止の取り組みに遅れをとります。これからも高い環境保全水準にお応えし製品を提供してまいります。