ものづくり日本会議

2017年受賞部品

自動車部品賞

CNT潤滑油「ナノコロオイル」

大成化研

製品概要

 大成化研の「ナノコロオイル」は、潤滑油にカーボンナノチューブ(CNT)を配合したオイルで、不溶のCNTを独自の製法で純水に均一分散し配合した。界面活性剤などを使っていないため、化学変化を起こさない。市販の潤滑油だけでなく、あらゆる素材に配合できる。
 産業機械などの駆動部にナノコロオイルを使えば、金属のミクロレベルの凹部分に、粒子が3~15nm(ナノは10億分の1)と極小のCNTが入り込む。CNT同士が転がって液体ベアリングの役目を果たして、潤滑性が向上する。摩擦抵抗が少なく、一般の潤滑油に比べて約40%も摩擦係数が低い。

 凹部分に入り込んだCNTは長くとどまってベアリング効果を維持するため、持続性にも優れている。

Voice
代表取締役 松原 賢政氏

 このたび、栄えある賞をいただき、誠に光栄に存じます。
 当社はカーボンナノチューブ(CNT)の摺動性に着目し、潤滑油への添加を試みました。不溶とされているCNTを潤滑油に分散させる技術を確立し(特許取得)、自動車用エンジンオイルをはじめ、潤滑油にCNTを添加する事で、高い潤滑性能、長期持続性を実現しました。
 今後もCNTやナノ物質の更なる可能性を追求し、社会に貢献できる製品作りを目指します。「ナノコロオイル」を高く評価していただいたお客さま、推薦いただいた企業様に深く感謝申し上げます。

自動車用ULTAGE円すいころ軸受

NTN

製品概要

 NTNは軸受定格寿命を、同社従来品の円すいころ軸受比で3.8倍以上延ばし、負荷容量は同3割高めた。ころ形状最適化と内部設計見直し、独自の特殊熱処理加工を施すことで、高い荷重負荷能力や低トルク、長寿命といった顧客ニーズに対応した。車のトランスミッションや、ディファレンシャルなどに最適な軸受。
 ころの転がり面の両端部につける微小な曲面形状(クラウニング形状)を最適化。荷重のかかった状態での、ころと内外輪の接触面圧が均一となり、負荷能力増で寿命を延ばした。軸受寿命に関係して部材内部の亀裂要因にもなる、せん断応力は最小化している。

 内輪のつば面と、ころ端面の形状なども工夫して、軸受の許容回転速度を約10%向上した。

Voice
常務取締役 寺阪 至徳氏

 このたび、“超”モノづくり部品大賞「自動車部品賞」を賜り誠に光栄に存じます。
 新開発の「自動車用アルテージ円すいころ軸受」は、転動体(ころ)の特殊なクラウニング形状による転がり接触部の接触面圧の最小化、接触領域端部の過大な圧力の抑制により、世界最高水準の高負荷容量と高速回転性能を実現しました。
 本開発品の適用により、トランスミッションやディファレンシャルの小形・軽量化、車両の燃費改善に貢献します。

 本受賞を励みに、高機能化の技術を磨き、さらなる車両の燃費改善や環境負荷低減、そして日本のモノづくりの競争力向上に貢献してまいります。

PHV用スプラインプレート

太平洋工業

製品概要

 太平洋工業の製品はプラグインハイブリッド車(PHV)のエンジンと、トランスアクスル連結部に使用されているワンウェイクラッチがかみ合う部品だ。開発ではトルク強度を満たしつつ、スペース制約の克服を求められた。今回、高張力鋼板(ハイテン)を使用し、自社の鍛造技術を組み合わせることで、高強度・軽量化を達成。外形約380mm、スプライン(歯形)部直径144mmの大物の一体成形を実現した。

 具体的には、スプライン部を鍛造で成形し加工硬化を図った。ハイテンは形状が安定しないため、クラッチとのガタツキを小さくするべく製品のうねりを分析し、変曲点を効果的に鍛造することで精度を確保した。一体成形で後加工も少なくでき、低価格化につなげた。

Voice
取締役専務執行役員 鈴木 克也氏

 このたびは栄誉ある「自動車部品賞」を賜り、誠にありがとうございます。
 本部品は2008年からスタートした、当社にとっては比較的新しい事業である板鍛造技術を応用して開発した製品です。高精度なニアネットシェイプ加工を行うことで「軽量」「低コスト」を追及してきました。また鍛造による加工硬化で高強度化を達成し、ユニットの少スペース化にも貢献できた中で、このような賞を頂き、非常にうれしく思い、関係者の皆さまに感謝いたします。
 今回の受賞を励みとし、今後もお客さまにより良い製品を提供できるよう更に努力する所存です。