2017年受賞部品

電気・電子部品賞

フルスペック8K放送規格イメージセンサ「BT3300N」

ブルックマンテクノロジ

製品概要

 ブルックマンテクノロジの「BT3300N」は、8Kフルスペック放送規格(8K、毎秒120フレーム)に唯一対応する、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサーだ。8Kスーパーハイビジョン放送カメラ向けに、NHK放送技術研究所、静岡大学と共同開発した。
 独自技術である列並列2段サイクリック型A/D変換回路を内蔵することにより、12bitの高精度、高速出力データレート、低消費電力を同時に満たし、超高精細の次世代UHDTV規格を、最上位で満足する性能を実現。
その圧倒的な解像度と高いフレームレート、さらに階調から得られる臨場感により、放送用カメラ向けでは、来る東京五輪・パラリンピックの目玉の一つと言われる、8Kシステムの普及に貢献する。今後は医療用カメラ、検査機器や監視カメラへの普及も見込まれる。

Voice
社長 青山 聡氏

 このたびは栄えある賞をいただき、誠に光栄です。相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー「BT3300N」は、8Kスーパーハイビジョン放送カメラ向けに開発し、テレビジョンシステムにおける究極の高精細映像の実現を果たすことができました。
 また、8K硬性内視鏡への採用、製品化により医療分野における高度で安全な手術の実現にも貢献してまいります。今後も、カメラのキーデバイスであるイメージセンサーの性能追求に努め、映像による社会の発展に貢献してまいる所存です。

フィルム型コネクタ「FTC」

日本航空電子工業

製品概要

 日本航空電子工業は加熱なしで接続でき、フレキシブルに曲がるフィルム型コネクタ「FTC」を開発した。フレキシブルプリント配線板や、ディスプレーなどの電子部品に対して、フィルムのように貼り付けることができる。
 FTCは配線部と接続部に分けられ、接続部では電極パターンが粘接着剤の上に配置されている。接続はフレキシブルプリント配線板などと、位置合わせした後に圧着する。従来技術と比較して、小さな力で張り付けることができ、曲げたときの耐性も向上した。張り付けに関わる部品が不要のため、部品点数を3分の1に抑制。製品の生産面では印刷技術を応用することで、最大50%の製造コストを削減した。

Voice
商品開発センター長 中島 伸一郎氏

 このたびは栄えある賞を頂き誠に光栄に存じます。
当社はこれまで、お客さまのご要望に適したコネクタの開発を続けてまいりましたが、今後広がるIoT社会に資するアプリケーションを実現するために、「フレキシブル」といった新たな観点の電気接続技術の開発にチャレンジいたしました。今回、受賞することになったフィルム型コネクタにより、従来技術では困難であったデバイスに調和した電気接続が可能となります。
 お客さまの独創的な商品開発に貢献できるよう材料・プロセス研究を軸とした体制で引き続き開発に取り組んでまいります。

TOYOPUC-Plus

ジェイテクト

製品概要

  耐圧性や外部漏洩に対する信頼性と、施工・メンテナンス性を向上した超高圧水素配管用メタルガスケット継手。従来の水素ステーションで主流だった、コーン&スレッド方式継手の課題点である着脱耐久性や締め付け時の供回りを、新方式で解消した。
 シール性が高く施工もしやすい半導体製造装置用メタルガスケット継手をベースに開発。同継手は高圧対応が難しい構造だが、継手内径やシール面突起の直径、ガスケット内外径による係数から最適値を割り出し、水素ステーションで使用できる95MPa対応にした。
 着脱時に大きなスペースを要しない構造のため保守・点検が容易になり、長期の安全運営とメンテナンスコストの低減につながる。

Voice
工作機械・メカトロ事業本部IoE推進室担当 技監 青能 敏雄氏

 「TOYOPUC」はトヨタ生産方式を支えるプログラマブルロジックコントローラー(PLC)として展開してまいりましたが、「Plus」は名前の通り、設備の成長に合わせて、「アドオンコンセプト」で開発したボード型PLCです。
 IoEの「つながるソリューション」にマッチさせるべく各ネットワーク対応を可能とした製品であり、まさに時代にマッチした機器になりました。今回の受賞を機にこのPLCが、さらに多くのお客さまの困りごとに対する解決の道具として貢献できればと思っています。