ものづくり日本会議

2018年受賞部品

モビリティー関連部品賞

ハイブリッド車等用超精密塑性増肉/減肉加工「FUT-1ホイールプレート」

株式会社エフテック

製品概要

 エフテックが開発したのが「ハイブリッド車等用超精密塑性増肉/減肉加工『FUT―1ホイールプレート』」。ホイールプレートは同社が手がけるリアサスペンションビームに溶接され、後輪のハブベアリングとの取り付け面を構成する重要な保安部品。
 このプレートを加工する際に従来のファインブランキング(精密打ち抜き)に替わる技術として、軽量化や歩留まりの向上、加工時間の短縮にもつながった。板厚の強度や剛性が必要な部分を厚くしたり、余分な部位を薄くしたりする増減肉の加工も可能だ。機械設備の整備に加え、子会社で金型を手がけるフクダエンジニアリングと一体となって技術を確立した。

Voice
社長 福田 祐一氏

 このたびは歴史がある超モノづくり部品大賞のモビリティー関連部品賞に選んでいただき大変光栄です。非常に価値が高く、エンジニアが取り組んできたことが評価されてうれしく思います。現場の技術者のたゆまぬ努力や、課題解決に向けて諦めずに取り組んだ結果でもあり、エンジニアの力を誇りに思います。

 これまで当社グループの塑性加工の技術力を結集し、一つひとつ段階を踏みながら、加工技術を確立してきました。次のステップとして、その加工方法などを生かして、また新しい価値を生み出していきたいと考えています。

超低フリクションシール付玉軸受

NTN株式会社

製品概要

 NTNは自動車トランスミッション用の軸受に求められる低トルクと長寿命の性能を両立させた。軸受の寿命を低下させるギアの摩耗粉などの侵入を防ぐシール材の表面に、微小な突起を持つ独自設計を採用した。これにより、回転時にシールと軸受内輪の摺動面に潤滑油膜が形成される構造とした。回転トルクは従来の接触シール軸受と比べ、80%低減した。
 シールを使わない開放型軸受の標準品と比べると、回転トルクは同等で、寿命は5倍以上に延ばした。シールの周速性能は毎秒50メートル以上で、従来の接触シールより約2倍速く、電気自動車(EV)などで必要とされる高速回転の用途に対応する。価格は従来の接触シール軸受と同じ水準に抑えた。

Voice
常務取締役 寺阪 至徳氏

 このたび、超モノづくり部品大賞の「モビリティー関連部品賞」を賜り誠に光栄に存じます。新開発の「超低フリクションシール付玉軸受」は、弊社独自の新設計シールを採用し、開放型軸受と同等レベルまで回転トルクを低減するとともに、有害な硬質異物の侵入も抑制して低トルクと長寿命を両立しました。今後、更なる低トルク・高速回転が求められるEVへの適用の可能性が広がる商品です

 本受賞を励みに、今後も市場トレンドを先取りする高機能な商品開発に努め、お客さまの困り事に応えるモノづくりに一層邁進してまいります。

燃料電池車用高圧水素減圧弁

川崎重工業株式会社

製品概要

 川崎重工業が開発した「高圧水素減圧弁」は、独ダイムラーの新型燃料電池車(FCV)「メルセデス・ベンツGLC F―CELL」に採用された。車両に搭載する水素タンクから供給される約700気圧の水素ガスを、最大70分の1まで減圧。水素と酸素を化学反応させて発電する燃料電池スタックで使えるようにする。
 ダイムラーの子会社ニューセルシスと共同開発した。川重が油圧機器の開発・製造で培ってきた流体制御技術とニューセルシスの燃料電池に関する知見を生かし、高精度でガスを制御する。複数弁で減圧する従来品に比べ省スペース、かつエネルギーの利用効率を上げる。FCVの航続距離を伸長でき、20年相当の耐久性を持つ。

Voice
機械精密・ロボットカンパニー 精密機械ビジネスセンター 技術総括部 システム技術部長 清瀬 弘晃

 長年の開発成果として受賞でき、大変うれしく感じている。防衛や自動車分野に水素減圧弁を開発してきたが、独ダイムラー社から引き合いを受け、約5年の試行錯誤を経てようやく採用が決まった。
 化学反応する水素が漏れ出さないよう、髪の毛1本分のずれも許されない。高い品質要求に応えるため、クリーンルームで試作を重ね、高精度かつ低コストの実現に苦労した。裏方として設計や組み立てなど製作に関わってきた約20人は非常に喜んでいる。若手にとって、今後の技術向上への大きな動機付けになった。