ものづくり日本会議

2018年受賞部品

生活関連部品賞

透明涼暖フィルム「LE-Comfort」

マクセル株式会社

製品概要

 マクセルは業界トップレベルの断熱性と遮熱性を実現した「透明涼暖フィルム『LE―Comfort』」を開発した。建物の窓ガラスに貼り付け、冬は断熱効果で暖かく、夏は遮熱効果で涼しく、室内を保つことができる。高断熱性の透明フィルムは珍しく、寒冷地のオフィスビルや一般住宅などに訴求する。
 厚さ数十ナノメートルの薄膜を塗工する技術を使って赤外線反射層を保護することで、透明性や断熱性を高く維持できる。また光学特性が異なる複数の薄膜を組み合わせ、無彩色を実現する。さらに独自の粘着層技術で、紫外線カット効果なども高めた。

 今後はプロジェクター投影可能な機能も付与する予定。新しい活用の提案を強化する。

Voice
スリオンテック事業本部 IF事業部長 坂田 信二氏

 透明涼暖フィルム「LE-Comfort」を支えるのは、磁気テープで培った薄膜塗工技術、フロッピーディスクで培った光制御技術、粘着テープで培った粘着機能制御技術です。当社がこうしたコア技術を融合して新規事業を立ち上げたのは、ここ数年では例がなく、意義は大きいと考えています。当製品が評価されたことを大変うれしく思います。
 プロジェクター投影可能な機能を付与すれば、デジタルサイネージのような用途で窓ガラスを活用することも可能です。今後とも、高付加価値なフィルムの提案を進めて参る所存です。

部分高強度鉄筋「ダブルスターク」

高周波熱錬株式会社

製品概要

 高周波熱錬の「ダブルスターク」は、誘導加熱で部分的に焼き入れすることで、1本に通常レベルの強度と高強度を共存させた異形鉄筋。地震時に大きな力が作用する柱や梁の接合部に高強度部分を対応させる。これにより鉄筋の使用量を約30%削減でき、過密配筋の防止や鉄筋の組立工数の低減にも役に立つ。
 国土交通大臣の材料認定を取得し、すでに鉄筋コンクリートの建造物に採用されている。耐震建物では地震時にエネルギーを吸収するため、梁の端部が変形できる設計が一般的。ダブルスタークを使う場合、変形する位置を制御するため設計の考え方が従来と異なる。今後は広く活用されるために、設計施工指針の確立を目指す。

Voice
製品事業部 営業部 部長 村田 義行氏

 このたびは栄誉ある「生活関連部品賞」を頂き、大変光栄に存じます。受賞した「ダブルスターク」は鉄筋を部分的に高強度にしていますが、建物の構造設計が専門でない方にメリットを理解していただくのは難しいと思っておりました。
 同製品は、当社のコア技術、誘導加熱が最も得意とする部分加熱を活用しました。これまでは同じ設備で全長にわたり高強度の鋼棒を製造してきましたが、実験を行っているなかで偶然に発想されました。まだまだ可能性を秘めていると確信しております。今後も新しい視点でモノづくりに貢献して参ります。

DIT制震筋かい金物

BXカネシン株式会社/株式会社DIT

製品概要

 DITが開発、BXカネシンが販売する「制震筋かい金物」は、木造住宅に耐震補強として設置する制震部材。二重構造の鋼材内部に高減衰ゴムを充填した。地震の揺れで筋かいが引っ張られると上下6カ所のブリッジ部が受け止め、ゴムや周囲の穴が地震エネルギーを効率的に吸収、発散することで建物の揺れを最大75%軽減させて倒壊を防ぐ。多くの補強材は一度の揺れに耐えることはできるが、繰り返し襲ってくる余震のエネルギーは吸収できない。今回の製品は1個8000円と低価格で、設置数も1戸当たり数十個で済むため、設置コストは従来の制震装置の半分程度で済む。取り付けも簡単に行えるのが特徴だ。

Voice
DIT 社長 古田 智基氏

 5年ほど前から研究開発をはじめ、2017年に大学発ベンチャーとしてDITを立ち上げ事業化した。阪神・淡路大震災以降、耐震補強が重要視されてきたが、単なる補強材では余震に耐えられない。耐震・制震装置は高額だったり、設置が難しいなど課題も多い。当社製品は簡単に施工でき、揺れ幅も半分以下に抑えたいと考えて開発を進めた。
 西日本工業大学デザイン学部建築学科教授として効果も検証した。これほど簡単で効果の高い制震部品はほかになく、評価されて大変うれしい。BXカネシンと協力して商品の良さを訴えていく。

大規模地震でも収納庫が倒れない転倒防止ユニット「L-FORCE」

株式会社イトーキ

製品概要

 イトーキの転倒防止ユニット「L―FORCE」(エルフォース)は、震度7クラスの地震が起きても収納庫が倒れないのが特徴。独自技術によって、収納庫の壁面下部に固定して設置するだけで収納庫の転倒を防げる。いつ発生するか分からない大規模地震に備えて簡単に家具の転倒対策ができる。
 エルフォースは壁面上部や床面への固定は不要なため、壁に穴を開ける必要はない。大がかりな工事をしなくても、簡単に導入できる。約10分で取り付けが可能だ。震度7クラスの試験波を、連続で2回加えても転倒しなかった。振動試験設備を自社で保有する強みを生かして、大規模地震や災害に備えたオフィスづくりを目指し開発を進めてきた。

Voice
執行役員 建材事業本部長 大黒 晃敬氏

 このたびは栄誉ある賞をいただき誠に光栄です。当社は近い将来に起こりうる大地震に対して、減災という考え方に基づき、より安全で快適な室内空間を実現する商品開発に注力しております。「エルフォース」は過去に震度7クラスの地震が連続して2回記録されたことを教訓に、2回加震しても収納庫が転倒しないことを新たな品質目標として開発し独自技術によりクリアしました。
 近年大規模地震が多発し地震対策の重要性は高まっております。収納庫や間仕切りに留まらず空間全体の安心・安全に寄与する開発を継続していきます。